台所用TVの製作「選局方法のポイント、完成」・・・ (Page 1 / 1)

 選局方法のポイント、完成


■ 液晶自作キット Aシリーズでフツーに選局すると・・・


Aシリーズに限らず、液晶自作キットの選局方法は原始的である。
特にAシリーズの場合、あらかじめ全スキャンして 受信できた周波数を順番に記憶 しておき、視聴者はその 何番目か を選ぶことしか方法はない。

全スキャンの手順としては、
  • OSDメニューを表示させ、音量調整の項目から“NTSC M/N”を選ぶ。
    ※要は放送方式を選ぶのだが、何故このメニューに入っているのか疑問だ・・・

  • TV Serchの項目から、Auto Scanを実行。
実に、これだけである。

このまま放置すると、低い周波数から順にスキャンを開始し、正常に受信できる信号が発見されたところでその周波数を記録、 チャンネル番号をひとつカウントアップする。 数分後、周波数が UHFの最高周波数に達したところで、めでたくスキャン終了となり、 これ以後記憶された番号でのチャンネル切り替えが有効となる。

さて、この時点では“CH 0”から順番に、受信できた番号が並んでいる 訳だが、環境によっては、 文句の付け所は多いと思う。
  • 全スキャンを行わないと、チャンネル選択ができない。
    →選択できるチャンネルは、基本的にスキャンでひっかかったものだけである。

  • CH 0がキャンセル(スキップ?)できない。
    チャンネル番号が、実際のチャンネルと一致しなくなる。

  • CATVを引いていたり、受信状態が中途半端な環境の場合など、不要なチャンネルも記憶される。
    不要なチャンネルが記録されてしまった場合、スキップできない。
私の自宅環境で全スキャンを実行すると、“CH 0”には本来“CH 1”に入るべきショップチャンネルが記憶されてしまい、“CH 2”に入るべき NHK総合は“CH 1”に設定される。 VHF Lバンドと Hバンドのスキマにも放送は入っているので、そこから後はめちゃくちゃである・・・
大抵のCATVでは、通常の アナログ放送再配信以外 のチャンネルには 同期信号に細工 がしてあって、乱れた画像でしか受信できないようになっているのだが、その多くは悲しいことに全スキャンでひっかかってしまう。 結果、 不要なチャンネルが全くデタラメな場所に記憶 されてしまう・・・ という訳だ。

・  ・  ・  ・

■ 少しでも目的の状態に近付ける方法は・・・


全スキャン最大の問題点は、不要なチャンネルがデタラメな場所に記憶されてしまう ことである。
幸い、一度記憶されたチャンネルのチューニングをずらすことは後からでもできる のだが、スキャンの結果 信号がある と認識されたチャンネル(の総数)しか受信対象にはならず、スキャンされなかった新しい局 を、新規に受信対象に加える ことはできない。 したがって、最初にクリアすべきことは スキャンされるチャンネルの数をコントロールする ことに尽きる。
答えを先に書いてしまうと、余分なチャンネルを記憶されないようにするには、スキャンの途中で アンテナ線を外して しまえば良い。 何とも原始的な方法だが、信号を遮断して余分な信号がスキャンされないようにするのがいちばん簡単だ。

具体的な方法を列挙してみよう。
  • OSDメニューを表示させ、音量調整の項目から“NTSC M/N”を選ぶ。
    ※放送方式は必ず選択しておく必要あり。

  • TV Serchの項目から、Auto Scanを実行。
    ※とりあえず、まじめに最後までスキャンを実行する。

  • スキャン結果を確認する。
    ※目的のチャンネルが受かるか、それは幾つあるかを調べて配置計画を立てる。
    ※受信したいチャンネルの合計数を確定しておくこと。

  • 再度Auto Scanを実行。 スキャン途中でアンテナ線を外す。
    ※受信したいチャンネル最終番号+1をスキャン中に取り外す。

  • スキャン完了まで放置する。

  • 番号が小さいチャンネルから、結果確認。

  • 希望チャンネルを正しく受信するよう Fine Tuneを実行。
実際に自宅CATV接続環境(東大阪ケーブルテレビ)で全スキャンを行った結果は、こんな感じになった。



いちばん左の列の“CH#”は、選局時に画面に表示される番号そのものだ。
正常に受信できた局を拾って行くと、0〜3に VHFのLバンド3局と C13に変換されている京都テレビ、8〜15に VHFのHバンド8局、その上は 26に記憶されたメンテナンス用と思われる画面がある。
4〜7および、上図では省略されているが 16〜25までは 乱れた画面 が入っており、 ぜひとも本チャンでは詰めて配置したいところだ。

ここで、受信できるチャンネルの総数が 13局と確定したので、この後もう一度スキャンをやり直し、さらに目的の局が 目的の番号で受信できるよう、チューニングを微調整することになる。
その際、OSDメニューから Fine Tuneを選んだ画面に表示されている周波数は、実際と異なっている ので注意する必要がある。 表示されているのは“表示F”欄の値だが、実際に受信されるのは“実F”欄の周波数だ。 Fine Tuneを実行する際は、頭の片隅に置いておこう。



再スキャンを実行し、受信したいチャンネル最終番号+1をスキャン中 (今回は CH 13)にアンテナ線を 取り外してみた。 スキャン終了後は、ひたすら Fine Tuneを実行し、目的の番号とできる限り一致させるよう、 手動調整あるのみである (^^;

結局、CH 0は どう考えても邪魔 なので、今回は C49に入っていたメンテナンス用と 思われる画面 (スペアナっぽい)を設定してある。 実周波数はかなり離れているので、数分間ボタンを押し続けないと いけないのだが・・・

・  ・  ・  ・

■ とりあえず、完成〜っ!・・・


ちょっと手間をかけすぎた感があるが、無事にチャンネル設定も終わり、何とか完成・・・ というところか。

▲ 窓枠への取り付けイメージ
▲ メンテナンス用画面[拡大写真]


最後に 謎のメンテナンス用画面 をどうぞ・・・
ま、一般人がこれを見たからって、どうなるわけでもないのだが (^^;

2007/08/05 Yutaka Kyotani

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