液晶パネル用コネクタの入手と加工について


■ コネクタやケーブルを代用しなければならない場合とは・・・

液晶パネル用として比較的よく使われているものといえば、住友やフジクラのフレキシブルケーブル(通称スミカード) 1.27mm品、1mm品、0.8mm品、 ヒロセの 1mmピッチSMTコネクタ DF9シリーズなどが有名どころとして挙げられる。
我々が中古品として液晶パネルやユニットを購入する場合、大抵はケーブルもセットされているはずであるが、反対側のコネクタが一般的でない使いにくいものであったり 指定品のケーブルやコネクタが同時に入手できなかった場合など、改造や加工が必要になったり、入手できるものを組み合わせて代用しなければいけない場合もある筈だ。

今回は NECのVGA液晶 NL6448BC20-08で使われている、ヒロセ DF9シリーズの 31Pinコネクタについて、そのあたりの加工方法を記してみた。 動作確認は上記 NL6448BC20-08と NL6448AC33-18Kで行ったが、他のNEC製VGA液晶をはじめ、同系列のコネクタを使っている他の液晶でも有効だ。

・  ・  ・  ・

■ 今回入手できたコネクタとケーブルたち・・・

残念ながら、液晶パネル用として使われているコネクタそのものが一般のパーツ店に並ぶことがほとんど無く、我々個人が 品名や型番を指定して購入することは、なかなか難しい状況だ。
とりあえず、付属していたものを含めて、今回入手できたものは次の通り (^^;

◇「CRかましの金ちゃん」液晶ユニット付属品

パチンコ台「CRかましの金ちゃん」の液晶ユニットに使われていたものがコレだ。 使用液晶パネルは NEC製NL6448AC33-18K。

反対側(絵柄処理基板側)は、30Pinの信号用と 3Pinの電源用に分割され、それぞれハーフピッチコネクタが装着されていた。
このハーフピッチコネクタは使いにくいため、今回は切断して一般的な 30Pinの MILコネクタと交換することにする。
◇仕事関係の知り合いから入手

コネクタの形状は「CRかましの金ちゃん」に使われていたものと同一だが、ケーブルの材質が異なるのと、端子が 31個なのに何故かリード線が 33本 (^^;
ちなみに、両外側の 2本は補強金具に接続されている。

加工方法としては、上記と全く同一に行える。
本心としてはこの圧着済みケーブルが入手できればいちばん楽ではあるが、残念ながら 1本しかもらえなかったので大事に使おう・・・
◇インターネットの部品屋さんで購入

色々探したのだが、個人で少量購入できるところは限られているようだ。 でもって、今回購入できたのはコレ。
型番は DF9-31S-1Vで、サイドに補強用金具、裏面にガイドポストが付いている。 他にガイドポストなしの DF9B-31S-1V というのも購入できるようだ。 ちなみに、お値段 150円。

残念ながら圧着タイプではなくハンダ付けタイプのため、若干の加工が必要だ。
今回はこのコネクタを使用する場合の加工法について、考えてみたいと思う。

インターネットの部品屋さん 該当ページは こちら
※2003/05現在、DF9シリーズは 31Pinと41Pinが標準在庫品となっている。
※すでに↑リンク切れ↑のようです (^^;


■ 圧着タイプのケーブル付きコネクタを加工する・・・

液晶側コネクタは前述の通り圧着タイプだが、使用されている線材はバラ線で少々細目である。 一般的な 2.54mmピッチ MILコネクタを 取り付けようとした場合、フラットケーブル圧着用コネクタにはこの線材では細すぎるようなので、基板取付用の ハンダ付けタイプのコネクタを使用する。

ユニバーサル基板の切れ端を 2穴×23穴程度に切断し、まずはコネクタを挿入してハンダ付け。 その後、線材を 一本ずつハンダ付けして行こう。 31Pinの配線が余ってしまうが、そのまま 30Pinの配線にまとめてハンダ付けしてしまえば OKだ。

ちなみに「CRかましの金ちゃん」のケーブルを使用する場合、絵柄処理基板側のコネクタは不要になるため、配線を数センチ残して バッサリと切断しよう。

リード線が 33本出ているタイプのケーブルを入手された場合は、両端の二本は不要なのでそのまま根本で切断するか、 空きランドにとりあえずハンダ付けしておくと良いだろう。


・  ・  ・  ・

■ ハンダ付けタイプのコネクタを加工する・・・

さてこのコネクタだが、単体だと事実上抜き差しは不可能である。 無理矢理 31本の端子全てに直接リード線をハンダ付けして 後をエポキシ樹脂か何かで固めてしまうという運用も不可能ではないが、配線が手間な上、抜き差しにも困るようでは さすがにイマイチだ。

一般的方法としては、取付と抜き差しをサポートするための小さなサブ基板を作り、そのサブ基板経由でリード線を配線する方法が 挙げられる。 但し、ヒロセ DF9シリーズのコネクタは、端子が 1mmピッチ千鳥配列のため市販のユニバーサル基板やピッチ変換基板で フィットする丁度良いものは入手できない。 ちなみに、サンハヤトでも 1mmピッチの変換基板が発売されているが、 千鳥配列ではない上引き出し部分の端子が大きすぎて今回は使えないのが残念。 結局は手作りするしかないだろう (^^;


ということで、手作りしたサブ基板がコレ。
この基板にリード線をハンダ付けし、反対側には 30Pinの MILコネクタを接続する。 液晶側コネクタをハンダ付けとすれば、線材は 自由に選ぶことができるので、今回は MILコネクタに合わせて一般的なスダレタイプのフラットケーブルを使用、MILコネクタ側は圧着して済ませることにする。

何だかんだと、ン年ぶりにエッチングして基板作ったんで、仕上がりはイマイチだったりする (^^;
それに、1.27mmピッチでリード線引出用の穴を並べたせいもあって、かなり配線もやりにくかったしねぇ・・・
あと、この写真には反映されていないが、31Pinと30Pinの間にジャンパーを飛ばす必要があるので、30Pinのパターンには穴が二つ必要だ。
ま、機会を見付けて作り直すことにしよう。


2003/06/14 Yutaka Kyotani

トップメニューへ
前のページへ