MTHDD25を移設する (Page 1 / ?)

 MTHDD25を移設する

※暫定公開※


■ MultiR HDD 唯一の不満・・・

こんなことを書くとメーカーさんには失礼だが、MultiR HDDを使っていて感じる 唯一の不満 は、この ファ○コンライクな HDDケース である。 但し、その形状がどうとか、着脱式であることが こうとかいうのではなく、細長い形状のものをそのまま立てて本体に差し込むのが 不安定 っぽく感じるのである。
もし、この HDDケースが 垂直方向に刺さる のではなく、何らかのアタッチメントを経て 水平方向に刺さる 形状であるなら、置き場所選びにも困らなくなるし、何より車載化する場合にも 取り回しが 10倍楽になることは間違いない! (ちょっとオーバーか・・・)

ということで、購入以来しばらく構想を温めていたネタを、一念奮起して「エイヤっ」とカタチにしてみた。
今回の製作は、回路的な難易度は限りなく低いのだが、配線や実装に関する難易度がかなり高い部類に入る。 実際に 製作しようと思われる方は、それなりに気合いを入れて臨むようにして欲しい。

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■ MTHDD25と本体を接続するためのパーツ・・・

ユーザの方ならもう説明は要らないだろうが、MultiR HDDの HDDケース接続用コネクタは、CF(コンパクトフラッシュ)の機構を そのまま転用したものだ。 実際にはここに IDEバスラインが接続されていると思われるので、50本ある端子の全てが 使われているかどうかは何とも言えないところである。 が、HDDケースを移設するためには何らかの延長用ケーブルをが必要になるので、 信号線をチマチマ調べるのではなく、一気に50本ともつないでしまった方が良さそうだ。

実際に、大阪日本橋で CF用コネクタが部品として買えるかどうか調べてみたのだが、残念ながらさっぱりである (^^;
オス側コネクタは、サンハヤトの出している変換基板付きのものが使えるかも・・・ というところだが、同社の SDカード用ソケットなどに比べて 余分なイジェクト機構などが付いており、値段もびっくりするほど高い (^^;

メス側コネクタに至っては、全く皆無・・・ 中古の CFとか、MTHDD25そのものを分解するとかしなければ調達は難しそうな感じだ。

▲ MTHDD25のインターフェース基板[拡大写真]
▲ 内部基板からコネクタを外した[拡大写真]

ということで、今回も付属品かつ別売パーツとしても売られている MTHDD25を一つ潰し、部品供出をお願いすることにした (^^;
MTHDD25を分解し、内部のインターフェース基板を取り出すと左上のようなものが出てくる筈だ。 向かって手前側が 2.5インチHDD、向こう側奧がお目当ての CF用メスコネクタ。 その他にも、USBインターフェースICやレギュレータなどが 装着されている。 あとは CRなどの小物部品だろうか。
この基板をケースのガワから外し、コネクタの端子部分に半田をたっぷり盛ってやる。 これを端からゆっくり熱してやると、 やがて「ぬるり」という感触と共にコネクタが基板から外れてくれる筈だ。

右上の写真は、コネクタを外したところ。
半田吸い取り線などを使い、端子部分についた余分な半田を落としておこう。
尚、ケースのガワはこの工作で再利用することになるが、コネクタを外したあとの基板は今回は不要になる。 但し、もしその気があれば 別の HDDユニットをあてがってやることで、USBハードディスクとして再活用することもできたりするので、くれぐれも、そのまま 捨ててしまったりしないように (^^;

▲ ヒロセのCFコネクタ[拡大写真]
▲ サンハヤトICB-064 (使用不可!)[拡大写真]

お次は CFコネクタのオス側。
大阪日本橋で使えそうなものを見付けられなかったので、結局東京出張の折、アキバで買ってきたものだ。 確か、 ラジデパの西川電子部品だったっけ・・・。 CFコネクタ2個と液晶用のコネクタなんかも一緒に買って 900円そこそこだったので、 値段そのものもリーズナブルだ。

コネクタが入手できると、次は実装方法をどうするか・・・ ということになるのだが、これがまた面倒 (^^;
CFコネクタは隣のピンとの間隔が 1.27mmなのだが、実際のコネクタは、面実装を意識してか 2列に並んだ端子を交互に曲げて 1列にまとめ、1/2の 0.635mm間隔で端子が出ているのである。 配線する立場で考えると、このまま何の加工もせず マジメに 50本配線 するのはどう考えても得策ではない。 そのままストレートに 1.27mmピッチで 2列並べてくれる方がどれだけ楽なことか。
市販の変換基板で適当なものがあれば・・・ ということで、サンハヤトから出ている 0.6mmシールタイプのエクステンション基板を 試しに購入してみたのだが、現物をあてがってざっと端子間隔を見てみただけで だめじゃん! の一言だったりする (^^;
変換基板としては、その他にも 0.65mmピッチのものも売られているようだが、この結果からすると推して知るべしだ。
結局、最後はやっぱり手作り か・・・

▲ 手製のフレキシブル感光基板[拡大写真]
▲ ガイド先端を加工したCFコネクタ[拡大写真]

ここまで来ると、半分意地 である (^^;
手段を問わないならば、コネクタの端子をさらに加工して 1列置きに曲げ直す というのも アリかもしれない。 こうして端子間隔を拡げてやれば、直接端子に半田付けすることも簡単になる。
しかし、私が今回選択したのは 手製のフレキシブル感光基板による変換基板作成 だ。 0.635mmピッチの 端子を一旦そのままのピッチで受け、途中で折り曲げることで、互い違いに表裏に誘導して 1.27mmピッチとする算段だ。

あと、順番が前後するが、CFのオス側コネクタは MTHDD25のフレームにひっかかる 部分が何ヶ所かあるので、 ガイドレールや固定金具を確認し、今のうちに現物合わせで加工しておこう。

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■ とりあえず、組み立てて行こう・・・

それでは、早速組み立て作業に入ろう。
まず最初に、コネクタを取り付ける土台となるべきものを用意してやらなければならない。 フレキシブル基板の材質は、 ポリイミドという耐熱性のある樹脂でできているのだが、素材そのものが薄くてペラペラなので、部品を固定する場所には きちんとした土台が必要なのだ。
今回は、手軽に使えるガラエポのユニバーサル基板。 あらかじめ、ケースやコネクタのサイズ、突起、ネジ穴などを調べ、加工しておいてやろう。

▲ ユニバーサル基板を土台にする[拡大写真]
▲ フレキシブル基板を貼り付けて実装[拡大写真]

左上の写真は、準備した土台となるユニバーサル基板とコネクタだ。
土台となる基板が用意できたら、フレキシブル基板を真ん中あたりで折り曲げ、基板に添ってクリップなどで固定、曲げ癖を付けておく。
その後、エポキシ樹脂を塗って土台に貼り付け、乾燥までしばし休憩だ。

続いて、コネクタの半田付けを行おう。 これ位のピッチになると半田ブリッジは付きものなので、最後にルーペやテスターなどを使って 隣同士がショートしていないか確認しておくのが安心だ。
ここまでの作業が終了すると、右上の写真のイメージになる。

▲ ひたすら配線[拡大写真]
▲ 仮組みして動作テスト[拡大写真]

両方の基板をつないでやれば、とりあえずは一段落かな。
口で言うのは簡単だが、50本もあるのでやはり面倒だ (^^; せいぜい気合いを入れて配線しよう。
今回は、配線がかさばるのを避けたかったので、UltraATA100/133用フラットケーブルを途中で切って転用することにした。 元の80芯ケーブルは 結構な幅になるが、25芯ずつに分割して重ねて配線すれば、スッキリ配線できそうだ。

ケーブルの一端を慎重に裂いて互い違いにし、皮を剥いて半田メッキを行っておく。
半分ずつに分けて基板と接続したら、配線を通す経路を考えて折り曲げ、成型して長さを整えておこう。 続いて反対側のコネクタも・・・

UltraATA100/133用フラットケーブルは、単線が使われているものが大半のようで、取り回しに独特の感触がある。 より線に比べると かなり固めなので、あまり曲げ伸ばしを繰り返さない方が良さそうだ。 成型の際はなるべくすんなり決めるようにしよう。

ということで、右上の写真は配線完了して動作テスト中。
無事に一発完動してくれたようだ (^^)

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2005/11/24 Yutaka Kyotani (暫定公開)

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