車載時の電源確保について検討する (Page 1 / 1)

 車載時の電源確保について検討する


■ クルマから得られる電源とは・・・

車から得られる電源は、特に何も加工しなければバッテリーから各電装品に引き回されている 12V直流のみである。
特に、一般の方が無加工で得られる電源は、ほぼどんな車にも例外なく付いている「シガーライタープラグ」だろう。

車のバッテリーは、定常時約 12Vの電圧だが、エンジンがスタートしてオルタネーターからの充電が開始されると 13.5〜14V程度にまで 上昇する。 MultiR HDDに付属の ACアダプターは DC5V、1.4Aのものが使われているので、まずは車から得られる DC12〜14Vから、 DC5Vの安定した電源を作成することが必須となる。
あと、接続を予定している中古パチンコ台から取り外したモニターは 12Vで動作するものが多いのだが、電源電圧が 不安定だと画面にノイズが乗る場合があるのと、バックライトの明るさも変動しがちなので、安定な 12Vを供給するための回路も付加することにする。

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■ 電源供給を受ける 〜 するためのパーツ・・・

まずは、シガーライタープラグ。 そして、MultiR HDDの ACアダプターが刺さっている DCジャックだ。

▲ シガープラグ(某カーナビ付属品)[拡大写真]
▲ 買い求めた内径 1.4mm DCプラグ[拡大写真]

左上の写真は今回採用したシガーライタープラグ。 このテの部品は結構カー用品店やパーツ店でも売られているようだが、 スイッチ付きのものは珍しい。 実は私が使っているカーナビの付属品として入っていたものなのだが、今まで使わずに取ってあったものを 活用することにしたという次第だ。 カーナビにはスモールおよびヘッドライト点灯で夜画面にする機能があるため、 ILMラインの加圧を ON/OFFするスイッチとパイロットランプ (LED)が付いており、プラグ先端にヒューズも組み込まれている。 この夜画面切り替え用 スイッチを主電源用として使うつもりだ。
正式に設置場所や方法を決定したら直接配線に切り替えようと思っているが、その際は配線の途中にチューブラ型のヒューズホルダーを入れ、 本体に主電源のスイッチを取り付けなければならない。

続いては MultiR HDDに 5V電源を供給するための DCジャック。
実は MultiR HDDの DC-INには一般的な EIAJ Type2のプラグが刺さるのだが、残念ながらきちんと通電しない。 少し調べてみると、中心導体の長さが 違っているため、先端まで電極部分が伸びているプラグでないと通電状態が確保できないようだ。 中心導体の直径を実測したところ 1.3mm程度と思われるが、 パーツ店でドンピシャのものはなく、今回は内径 1.4mmのプラグを買い求めて試してみた。 右上が実際の写真だが、このタイプのものは コード付きのものも売られており、便利に使用できそうだ。

▲ レギュレータモジュール YDS-205[拡大写真]
▲ LM2940-12と uPC24A12[拡大写真]

メインのレギュレータは YDS-205という 5V 2Aのスイッチングレギュレータモジュールを試してみた。 MultiR HDD付属の ACアダプターは 5V 1.4Aのものなので、余裕を持って 使用できそうだ。 5V電源ラインには常時 700mA前後の電流が流れているため、通常の三端子レギュレータでは損失が多すぎる。 放熱のことを考えると実用的ではないので スイッチングレギュレータが必須だ。
あと、モニター系用電源として、ロードロップアウトタイプの uPC24A12 (12V 2A)を使用した。 もしモニターの電源が 1Aで足りることが確実な場合は、毎度お馴染みの LM2940-12などでも同様に使用できる。 こちらは入出力電圧差が少ないため、スイッチングタイプよりも 通常のシリーズレギュレータの方が適している。 必ず「ロードロップアウトタイプ」を謳っているものを使うようにしよう。
もし、既にちゃんとした車載対応モニターをお持ちで、別途安定化された電源を用意する必要がなければ、この回路は当然省略してもかまわない。

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■ 回路はこんな感じで・・・

回路の規模という面では超簡単な部類である (^^;


とりあえず、レギュレータ×2回路だけなので、特に説明はいらないだろう。 入出力にコンデンサを入れるだけだ。
まぁ、強いて言えば、車載にする関係で温度上昇が手強そうなので、電解コンは 105℃タイプの一流メーカー製を奢るようにしよう。

▲ 部品実装済みの基板(オモテ)[拡大写真]
▲ 部品実装済みの基板(ウラ)[拡大写真]

基板に組み立ててみると、こんなイメージになる。
YDS-205は基板にそのまま立てて取り付けると結構背が高くなるので、基板を削って 切り込みを入れ、横に寝かせてエポキシ樹脂で固めている。 これを仮組みということで、アルミ板にネジ止めしている。
uPC24A12は基板の裏側に逆向け実装し、シャーシーに放熱するように想定している。 その際、樹脂製の少し短めのスペーサーを使い、 レギュレータのネジ止め部分とスペーサーの長さを合わせた高さが、他のスペーサーの長さ(高さ)と同じになるよう、削るかワッシャーをかませて 調整する。

▲ 仮組みして動作テスト(1)[拡大写真]
▲ 仮組みして動作テスト(2)[拡大写真]

配線およびシャーシーへの取り付けが完了したら、まず最初にシガープラグ内部のヒューズをチェックして欲しい。 最初は 6〜10Aと 電流値の大きいものが入っている場合が多いので、必ず確認して2A(LM2940-12使用時) 〜3A(uPC24A12使用時)のヒューズと交換することが必要だ。
そこまで確認したら、モニターや MultiR HDDへの電源配線はつながず、シガープラグのみを接続してスイッチ ON! ヒューズが飛んだり 変なニオイがしないようなら、モニターや MultiR HDDへ供給される電圧が正常かテスターで確認してまずは一段落。

これでクルマから電源が取れるようになったので、しばらく使ってみることにする。
ま、本体も含めた実装方法については、まだもう少し試行錯誤が必要と思われるので、そのあたりはご了解いただきたい。

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2004/08/29 Yutaka Kyotani

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