〜LQ080T3AG01+秋月電子製RGBコンバータV2の接続〜


■ パネルとRGBコンバータV2の接続について・・・


さて、この LQ080T3AG01には、信号、電源、モード設定など各種取り混ぜて合計 24本のピンがある。 外部から アクセスできるコネクタは、1mmピッチのフイルムケーブルがささるようになっており、液晶パネル自体を「無傷」 で使おうと思えば、適合するケーブルと受け側のコネクタも用意しなくてはならない。
しかし、液晶パネル側のコネクタ直下には、テスト用とおぼしきランドがほとんどの信号線に対して用意されており、 体裁を気にしなければ、このランドにリード線を直接ハンダ付けすることで、比較的簡単に接続手段として利用可能だ。
そこで今回は、液晶ユニット内で必要な処理を極力済ませて直接配線することとし、R/G/B映像信号と、同期信号、電源だけが RGBコンバータに配線されるようまとめることにする。

少し前置きが長くなってしまったが、続いて RGBコンバータV2側で処理すべき内容について。
RGBコンバータV2については、こちら でも解説しているが、 ジャンパー設定が必要なのと、自分がつなぎたい液晶に応じて出力端子を変えてやることが必要だ。 これらについても、 要点を列挙させていただくことにする。

▼ LQ080T3AG01
  • 1.HSY 水平同期信号入出力
  • 2.VSY 垂直同期信号入出力
  • 3.CLK クロック信号入出力
    今回の使用目的では出力モードになるため、何も接続しない。

  • 9.VCDC 共通電極駆動信号DCバイアス調整端子
  • 12.BRT ブライトネス調整端子
    液晶ユニット内部で調整済みであるため、必要なければ接続不要。

  • 4.NTP NTSC/PAL切り替え端子
  • 5.HRV 画面左右反転切り替え端子
  • 6.VRV 画面上下反転切り替え端子
  • 7.VSW 映像入力信号系統切り替え端子
  • 8.CLKC クロック、同期信号入出力切り替え端子
    今回の使用目的では、何れもLogic High (5V)を供給。
    ※何も接続しない状態でデフォルト状態になればありがたかったのだが、 残念ながら、IC内部でプルアップされているものと、されていないものが混在している。 そのため面倒だが、 液晶ユニット内部の5V電源を探して接続することにした。 RGBコンバータから5Vを供給することもできるが、配線が 増えることや、RGBコンバータに正式な5V出力端子がなく、何れの方法でも基板に直接半田付けする必要がある。 詳細は 写真参照(紫色の配線)。

  • 10.VIN 液晶駆動電源電圧入力端子
    12V電源を接続する。
    ※端子が小さいので、同じ方向にある 22Pinに接続し、そこから 12Vを「送り配線」し、分けてもらうことにする。

  • 11.VBS 同期分離用複合映像入力信号
    同期信号(C-SYNC)を入力する。
    ※RGBコンバータの SYNC-OUTはタイミングが遅れるのと、この液晶ユニット自体が複合 (コンポジット)映像信号から同期分離する機能を持っているため、今回は VIDEO-INから分岐配線して複合映像信号を入力する。

  • 13.VR1 原色映像信号(赤) 1
  • 14.VG1 原色映像信号(緑) 1
  • 15.VB1 原色映像信号(青) 1
    RGBコンバータの出力(75Ω) R/G/B端子と接続。
    ※RGBコンバータの出力各端子 R/G/BとGND間にそれぞれ75Ωの抵抗(×3本)を接続し、終端してから配線する。

  • 16.GND1 接地端子(液晶駆動電源系)
  • 17.VR2 原色映像信号(赤) 2
  • 18.VG2 原色映像信号(緑) 2
  • 19.VB2 原色映像信号(青) 2
  • 20.GND1 接地端子(液晶駆動電源系)
    GNDに接続する。
    ※配線は、一旦コネクタ横の空きパッドに配線して中継する。
    ※RGB映像は二系統入力が存在するが、同期入力が両者共用のため、事実上入力切り替えには使えない。 使用しない入力系統は GNDに接続か抵抗で終端せよとの記述があるので GNDに落としておく。


  • 21.VBL バックライト駆動電源電圧入力端子
    12V電源に接続する。
    ※少し太めの線でRGBコンバータからの電源に接続。

  • 22.VBL バックライト駆動電源電圧入力端子
    10Pinに接続し、12V電源を供給する。
    ※内部で21Pinと接続されており、本来は両者まとめて 12V電源へと接続するべきだが、 今回はここから10Pinに送り配線し、21Pinで受けた12V電源を供給する。

  • 23.GND2 接地端子(バックライト駆動電源系)
  • 24.GND2 接地端子(バックライト駆動電源系)
    電源および RGBコンバータの GNDと接続。
    ※すぐそばのGNDパターンに接続されている。 他のGNDと一緒に一旦コネクタ横の空きパッドに配線し、 RGBコンバータからのGNDを中継。
    ※ここをGNDの基準点とし、バックライトインバータの電源電流を、信号用GNDラインに流さないよう配慮する。
▼ RGBコンバータ V2
  • J1.POWER SUPPLY
    φ2.1DCプラグ(センタープラス)付き12V1A以上のACアダプタを接続。
    ※秋月電子のスイッチングタイプACアダプタ (12V1A)が使用できるが、電流容量にあまり余裕がないので、 これ以上他の機器を接続しない方が良い。
    ※車載にする場合は、バッテリー電圧の変動でバックライトの輝度が変化するため、LM2940-12等を使って安定化するのがお勧め。


  • J2.AUDIO IN
  • J7.AUDIO OUT
    今回は使用していない。
    ※使用する場合はRGBコンバータの説明書を参照。

  • J3.VIDEO IN
    ビデオデッキやチューナーからのコンポジット映像信号を入力。
    ※黄色のピンジャックを取り付けて配線し、信号側は液晶ユニットに同期信号の代用として供給するため 分岐配線する。

  • J4.SYNC OUT
    ここから同期信号を取るとタイミングのズレが生じるため、使用しない。

  • J5.RGB OUT(HIGH)
    LQ080T3AG01には適合しないため、使用しない。

  • J6.RGB OUT(75)
    この接続部分から液晶ユニットのVR1/VG1/VB1へと配線する。
    ※R/G/B各出力端子とGNDの間に75Ωの抵抗を接続して終端(接続必須)。

  • JP1.電源極性選択ジャンパー
    電源スイッチおよび、LQ080T3AG01への電源供給用に分岐配線する
    ※ACアダプタの極性がセンタープラスの場合は 1-3と2-4を、センターマイナスなら 1-2と3-4を接続するよう指示があるが、今回は センタープラスのACアダプタを使うので、結果的には 1-3と2-4を接続することとなる。
    ※尚、電源スイッチおよび液晶ユニットへの電源供給のため、この端子を少し細工して使用する。 詳細は接続図を参照。


  • JP2.映像入力終端ジャンパー
    黄色のピンジャックを取り付けて一般的な映像入力端子として使う場合、必ず ショート する。
    ※ショートすると入力インピーダンスは75Ω、オープンではハイインピーダンス。 オープン では 入力レベルオーバー になり、白潰れなど、画像が正常な色調で表示されなくなる ので、必ずショートする。 ちなみに、BBSでの質問 の多くをこの ジャンパー設定忘れ によるものが占めている。
箇条書きと言いながら、いちどに書くと結構な量になるもんだ・・・ (^^;
それでは、実際の配線状態をイメージでどうぞ!


▲ LQ080T3AG01への配線(偶数Pin側)[拡大写真]
▲ LQ080T3AG01への配線(奇数Pin側)[拡大写真]
▲ RGBコンバータへの配線(J6)[拡大写真]
▲ RGBコンバータへの配線(JP1、JP2、J3)[拡大写真]


写真は、それぞれ拡大イメージも用意しているので、活用いただければ幸いだ。
また、接続図については、少々サイズが大きくなったので、別窓でリンクさせていただくことにする。

・  ・  ・  ・

■ これで接続完了・・・


▲ TVチューナーを接続してテスト中[拡大写真]
バラック配線ではあるが、ひとまずこれで接続完了だ。
適当なチューナーを接続して映してみたのが右側の写真。 動作には全く問題ないような感じなので、まずは一安心というところか。

今回は、内蔵されているオーディオアンプは使用せず、スピーカーや音声入力端子は設けていない。
最近は、入力ソースもステレオのものが多いので、この RGBコンバータのように モノラル のアンプでは使いにくいという局面も考えられるようだ。 場合によっては、ICによるアンプをステレオで外付けするのも一考である。

2006/05/14 Yutaka Kyotani

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