“真空管ラジオ”製作記 〜とりあえず組み立ててみる〜 (Page 2 / 2)

■ ようやくコイルを巻いて配線だ・・・


メカものパーツも大体終わりになってきたようだが、いかがだろう。
この後の作業は、大体こんな感じだ。
  • リッツ線を巻く
  • 配線する
  • 電池と真空管をセットする
  • ラジオを聴く
さ、続けて行ってみよう!


▲ ケース固定用の脚も取り付ける[拡大写真]
▲ リッツ線を巻き始める[拡大写真]
▲ アンテナ側コイルの巻き終わり[拡大写真]
▲ 巻き線に印を付けてケースに[拡大写真]


ループアンテナの巻き枠が用意できたら、ケースに取り付けるための脚をネジ止めしてやろう。
ここまでできたら、いよいよリッツ線を巻き、コイルとしての体裁を整えて行く。 ここまでがメカものパーツばっかりだったので つまらなかったというのが本音だが、ようやく 電子工作らしい 作業になってきたという感触だ・・・

巻くべきコイルは、アンテナ用と再生用、2系統に分かれている。 巻き数も、アンテナ用は 19回、再生用は 2回と決められているが、 リッツ線はあらかじめ長さを測って端末処理されたものが付属しているので、あまり細かいことを考えずにそのまま巻いて行けば OKだ。
巻き始めを 30cm程度引き出して、巻き枠の穴に絡げて固定、そのまま巻き始めれば所定回数巻けるようになっている。 尚、最初は枠の固定部分が 弛んでいる可能性があるので、時々確認しながら少しテンションを持たせて巻くように心掛けよう。

アンテナ用、再生用とも巻き終えたら、巻き線にマジックで印を付けてから、ケースの穴に通す。
ちなみに、アンテナ用の巻き始めが ■、巻き終わりが ■ ■、再生用の巻き始めが ■ ■ ■、巻き終わりが ■ ■ ■ ■と 指定されている。 とりあえず、説明書に従っておこう。


▲ リード線同士を配線する[拡大写真]
▲ 必要なリード線(赤色)がない!![拡大写真]


ここで、ようやくケースに取り付け済みの基板と、その他パーツ類の配線作業だ。
が、すでに基板には接続用リード線が取り付けられており、配線作業の主な工程としては、そのリード線同士、あるいは 他のパーツの端子穴に絡げるだけ・・・ である。 リード線同士の接続は、捩り合わせてセロテープで絶縁する のだそうだ。 実際のところ、この作業も全然楽しくない (^^;
ということで、私は一応キチンとハンダ付けし、熱収縮チューブをかぶせて絶縁してみた。

電池ケースに取り付けた端子にも、キチンとハンダ付けして・・・ と。 アレレッ・・・ 線が足りんぞ!!
A電池のプラス側に行くはずの赤色リード線が取り付けられていないようだ。 というより、取り付けられたリード線が ハンダが冷える前に 抜け落ちてそのままどっかに飛んで行った という感じに見えますナ。
基板のスイッチ周辺に ハンダ屑がいっぱいこびり付いていた ので、イマイチだなぁと思っていたのだが、 これはリード線が脱落した際の遺物かも知れない。 初心者対象のキットとしては全く ダメダメ である!!
クレームを付けて交換の要求をするのは簡単だが、作業中断は馬鹿馬鹿しいので、自前のリード線をつないで作業続行・・・ だ。
その付近にも、イモ半田も何カ所かあるようだし・・・ いくら初心者対象でも、説明書に基板の実体図でも載せて、ユーザにチェックさせる 位の工程は必須だと私は思う。


▲ 電池フォルダへも配線する[拡大写真]
▲ 最後はバリコンへも配線[拡大写真]


気を取り直して配線作業続行・・・ だ。
不本意ながら基板をいちど取り外し、スイッチの端子から A電池プラス側へと伸びる赤色リード線を取り付け、電池ケースの端子にも配線完了。 ついでに イモ半田とおぼしき場所を、何カ所かハンダ付けし直してやることにする。 どうも、全体的に元の基板は 半田に艶がない と感じるのだが・・・。 コテが高温すぎるのか、それとも質の良くない半田を使っているのか。 鉛フリー半田という訳でもなさそうだし・・・。

配線の最後は、バリコンの端子へのリード線接続だ。
残念ながら、バリコンの素材はアルミ板なので、そのままでは半田が乗らない。 シャクではあるが、ここは説明書通りに絡げて終了とする。


▲ 真空管の脚をまっすぐに矯正する[拡大写真]
▲ 真空管をソケットに差し込む[拡大写真]
▲ 乾電池を所定位置に収める[拡大写真]
▲ 電池ケースに蓋を取り付ける[拡大写真]


配線が終了したら、真空管と電池を取り付けて完成だ。
真空管は、ピンが曲がっていることもあるので、付属品の ピン・ストレーナー を使って 確認し、場合によっては矯正してやる必要がある。
これは余談だが、私が小学生時代、廃品の TVなどから抜き取った真空管を ロケットに見立てて遊んでいた こともあり、私の周りにあった真空管(当時は机の引き出しがいっぱいになるほどあった)で、ピンがまっすぐなものは皆無だったと記憶している (^^;
矯正が済んだら、所定位置のソケットに挿入しておこう。

最後は電池・・・ A電池と B電池の2種類ある。 まずは 電源スイッチ OFF を確認しておこう。
用意すべき電池は、A電池用の単二が 1本と、B電池用 006P×5本。 説明書には 100円ショップで買うと安く買えます などと書いてあるが、さすがに 006Pは置いてないところが多い。 私は今回、秋月電子で部品を買うついでがあったので、一緒に注文しておいた。 (2006/04当時、単価70円、5本350円) まともに買うとこれだけで 1,000円近い投資になるので、できるだけ安い店を探そう。
A電池、B電池両方ともセットしたら、蓋を取り付け、電池をきちんと固定してやる。 尚、B電池はケース下部の穴の大きさで プラスマイナスの誤挿入を防止している。 蓋がはまらない時は、逆になっている電池がないか確認しよう。


・  ・  ・  ・

■ これでとりあえず完成だが・・・


▲ 完成したラジオで受信テスト中
第一ステップとしては、ひとまずこれで完成だ。
キットを買って、説明書通り組み立て、ラジオを鳴らすという意味では、ここでジ・エンド である。

思えば、私が電子工作に目覚めた小学校高学年の頃、すでにどこの家庭にもラジオもテレビも普及していたし、もちろん ラジオは スーパーへテロダイン である。 まぁ、真空管かトランジスタかは別にして・・・ だが。

こんなことを書くと歳がバレてしまいそうだが、大阪で万国博覧会が行われた年が、大体「小学校高学年」の頃と一致する。
その当時、私は親の使っていた短波も受かる 8石スーパーラジオを奪い取り、日夜深夜放送を聞きまくっていた・・・ というのは内緒ネ (^^;

話を元に戻して、今回このラジオを組み立てた 意義は何だったのかなぁ・・・ と自問自答してみた。
  • 再生検波の御利益を体験することができた。
  • ↑それは一般人には操作しがたいものであることも知ることができた。
  • ループアンテナの性能は意外と良いことが体験できた(本当)。
  • 入手しにくい真空管を、身近なものとして使うことができた。
それだけですか・・・ と聞かれると企画されたスタッフの方々には申し訳ないが、今回の私には、あまり 満足感はない というのが 正直なところだ。 基板が完成済みでない フル・キット だったら少しはマシだったかもしれないが、 真空管を 3本も使って、今更あまり実用的でない 再生検波 では、やっぱり 燃えません!
さぁ、これをどう料理してやろう・・・

2006/05/06 Yutaka Kyotani

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