台所用TVの製作「リモコンインターフェースの活用」・・・ (Page 1 / 2)

 リモコンインターフェースの活用


■ リモコンの基礎知識と液晶自作キット・・・


旧来から、家電製品の遠隔操作を目的とした、色々なリモコンが作られ、そして使われてきた。
最も古いものでは、ワイヤードリモコン。 名前の通り、ヒモ付きのリモコンだ。 これはテレビのチャンネルが ロータリー式の時代に、電動モーターで駆動する(がちゃがちゃ回る)ものを見た記憶がある。 そして、 超音波リモコン。 これは可聴帯域外の“音”を使うもので、ガラスコップが擦れる音を拾って 誤動作することがあったとか・・・ そして、最近広く使われているのが、赤外線リモコンだ。

赤外線リモコンの通信媒体は、当然赤外線なので、送信側は発光ダイオードがポピュラーだ。
これを数十KHzの搬送波(キャリア)で断続して発光させ、受光側へと伝えることになる。 データを載せる操作は このキャリアをON/OFF制御することで行われており、パルスの位置と長さでデータを表している。 受け側は フォトダイオードという素子を使って信号を拾い、キャリア周波数のみを選択増幅できるアンプでゲインを稼いだ後復調、 波形整形のちマイコンへ・・・ という経路をたどる。 昔はこれらを個別部品で構成することもあったようだが、 近年は 3本足のモジュールとして1cm角程度にまとめられたものが一般的で、こいつを使えば復調して波形整形済みの データが取り出せる。

液晶自作キット A、Cシリーズには、カード型リモコンと受光素子がセットになったもの (左下の写真参照)が販売されていたが、 残念ながら 2007年5月現在、もう入手不可能ということになっているようだ。
一緒に映っている少し大きなモジュールは、一世代前の受光素子。 一時期は秋月電子のキットなんかにも同様のモノが使われていた。

▲ 純正リモコンと受光素子色々[拡大写真]
▲ リモコン信号波形計測の様子[拡大写真]


ここで、受光素子にオシロのプローブをあててリモコンを操作すると、どんな波形が出てくるか見てみよう。 右上の写真には Dシリーズ用リモコンが映っているが、A/Cシリーズ用カード型リモコンでも調べ方は同様だ。

これは、カード型リモコンの“下カーソルキー”を押した場合のデータだ。 キレイなビット列が観測されている。 配線の引き回しが悪いのか、 盛大にノイズが乗っているが、ビット列としてはこんな感じになる。 あるパルスから、次のパルスまでの時間が短ければ“0”、長ければ“1” のビットという訳だ。
さらっと説明しておくと、最初の16Bitはカスタムコードと呼ばれるデータで、元来はメーカー毎に割り当てられ、 管理されるべきデータだ。 次の8Bitがデータコード、その次の8Bitがデータコードを反転したもの・・・ の 合計4バイトで表現されており、NECフォーマット と呼ばれているデータフォーマットだ。

▲ 下カーソルキー押下時の信号波形


ちなみに、赤外線リモコンのデータフォーマットは数種類が併用されており、規格が異なれば当然通信はできない。 また、 搬送波 (キャリア)周波数が異なると、ラジオのチューニングがズレたのと同様の状態になり、感度が落ちてしまう。 一般的には 38KHz近辺のキャリアが使われており、受光素子も 38KHz用 と謳っているものが多い。



以上のような手順で、液晶自作キット A/Cシリーズ用純正リモコンの全ボタンに割り当てられているコードを調べてみた。 もし、 ワンチップマイコンでプログラムを書こうと考えておられる方は、どうぞご参考に・・・


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