★特売品★5.6インチビデオモニターセット[RGB-2P056-BN01]を骨までしゃぶる (1 / ?) |
★特売品★5.6インチビデオモニターセット
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■ aitendo's電子工房の年末年始特売品で「お買い得なタマ」発見・・・ |
2008/11月中旬、Aitendo's電子工房のページを巡回していた際、「年末年始特売品」の中に、たまたまおいしそうなタマを発見したので購入してみた。
何かの情報端末らしきモノの解体品から表示部分のみ持ってきたような感じで、タッチパネル用の電極と、表示範囲外に操作部の ダミーエリアも設けられている。 使われている液晶パネルはパチンコ液晶としても有名な、SHARP製 5.6インチの LQ6BN01だ。 私が購入したのは、同社 RGBコンバータV1.2 (通常価格 1,980円)とのセット商品 (セット価格 2,980円)だが、商品販売ページの基板写真に 映像処理IC IR3Y29や、カラーサブキャリア復調用とおぼしき X'talが映っているのを見てピンと来たというのが購入の動機。 既に BBSでも情報をリークしておいたのだが、RGBコンバータなしでも コンポジットビデオ入力が使えるスグレモノ。 また、それ以外の応用も色々できそうな回路構成になっており、せっかくなので骨までしゃぶり尽くしてやりたいと考えている。 ちなみに、Aitendo's電子工房からは、その後 RGBコンバータなしのモデル [U-LQ6BN01] 1,680円ナリも設定されたが、いずれも早々に完売してしまったようだ。 とりあえず、無事に このタマを入手できたラッキーな方 のために、骨までしゃぶるためのヒント を色々記しておきたいと思う次第だ。 ということで、早速実物をご覧いただこう。 |
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上のイメージが、ユニットの正面とウラ側から見た様子だ。
パネルの表示面には抵抗膜方式のタッチパネルが貼り付けられており、画面最下部は 表示範囲外の操作エリア となっている。 我が家にやってきたユニットたちのタッチパネル表面は傷や汚れがかなりあり、状態は良くない 部類に入る。 しかし、タッチパネルを必要としない場合は そのまま取り外してしまえばOK で、その奥にある 液晶パネルの表示面は無傷でキレイな状態だ。 |
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続いて、映像処理基板を観察してみよう。 左上は、オモテ面(部品面)を見たところ。 大きく分けて 3ブロックから構成されている様子が読み取れる。
向かって左端のブロックは、バックライトインバータで、パワートランジスタ 2SD1803が 2個、それに高圧トランス、高圧コンデンサも 2組実装されている。 液晶パネルへと つながるコネクタ CN7の周辺は高圧になるので、人体や金属類が接近しないよう、十分に注意しよう。 中央のブロックは、液晶パネルをドライブするために必要な各種電圧を生成するための電源部。 種々雑多なトランス、コイル、コンデンサなどが 多数実装されている。 電源コネクタ CN6の直近には、逆接防止用ダイオード D1と、チップヒューズ F1も実装されている。 向かって右端のブロックは、IR3Y29を中心とした映像処理ブロック。 特徴的な部品としては、IR3Y29のほか、サブキャリア復調用クリスタル X1、クロマトラップ T1、それにビデオ入力スイッチ BA7652が実装されている。 BA7652のすぐそばには、コネクタ CN3、それに 75Ωの抵抗なども見ることができ、CN3がコンポジットビデオ入力である という予想にも 容易にたどり着くことができる という状況だ。 |
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■ 回路調査&応用準備などなど・・・ |
このテのユニットを応用する場合、もちろん事前に全ての回路を調べて回路図を起こしておくことが望ましい。 しかし、調査にかけることの
できる時間は限られているので、あまり重要でない箇所があるのなら、極力省いて行く方が効率が良い。
例えば、こんな感じで・・・
今回は、車載&バックライト関係の応用も考えているので、バックライトインバータの回路も回路図に含めてある。 |
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あと、応用に着手する前に、必要と思われるコネクタについても準備しておこう。
今回の映像処理基板で使用されているコネクタは、日圧EHコネクタ の 2、3、4、15Pinタイプだ。 決して入手しにくい コネクタではないので、ぜひ必要なピン数のコネクタを事前に入手しておき、コネクタのピンに外部機器のリード線を直接ハンダ付け という 恥ずかしい行為 をしないで済むよう、配慮しておきたい。 |
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左上のイメージには、EHコネクタを使って実際に作成したケーブルの例も載せておくのでご参考に。
また、EHコネクタには 本来よりもピン数の少ないコネクタがすんなり差し込める という 利点がある。 例えば 15Pinコネクタはかさばるが、必要に応じて 3〜6Pinのコネクタで対応することも可能だ。 |
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■ とりあえず標準的なパターンで動かしてみる・・・ |
とりあえず、標準パターンで動作させられる構成から動かしてみたいと思う。
今回使用した入力ソースは、コンポジットビデオ / Sビデオ / 15KHz系アナログRGBの何れにも対応できる MultiR HDDを使用してみた。 改造が必要な構成についても、順次この後の項目で追加を行いたいと考えている。 ということで、最初はアナログ RGB接続から。 |
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左上のイメージを確認すると、やはり滲みがなくくっきり映っている様子が伺える。 液晶パネルが 5.6インチという大きさでは、
それほど顕著な差には現れないが、もし 15KHz系のアナログRGB信号を出せる機器 (ほとんど現存していないかも知れないが)をお持ちなら、試してみても悪くないだろう。
接続方法は、CN5の 13、14Pinを 何れも 15Pin (GND)に接続し、2→R、3→G、4→B、5→SYNCを入力する。 ちなみに、RGBコンバータをこの方法で接続することもできるが、メリットはない・・・ 多分 (^^; |
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R/G/B入力は何れも 75Ωで終端されており、別途終端抵抗を取り付ける必要はない。 信号レベルも、一般的な 0.7Vpp程度の機器であれば
そのまま接続するだけで大丈夫なはずだ。
あと、SYNCは ロジックレベルで入力する ことが想定されているようで、75Ω終端なし&内部にアッテネーターが入れてある。 MultiR HDDは 7Pin DIN端子から SYNCを取ると、映像信号代用となるのでレベルが心配なのだが、実験している限りでは特に問題なさそうだった。 |
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続いては、コンポジットビデオ入力での表示例。
左上のイメージを、先ほどのアナログ RGBの例と見比べると、やはり細かい表示部分の滲みが目立つように思う。 例えば、 ファイル名のカーソルがある部分など・・・ 実際には、RGBと見比べない限り問題にはならないと思うので、あまり気にしない方が良いだろう。 接続方法は、CN5の 14Pinを 15Pin (GND)に接続、13Pinを Logic Hにする。 そして、CN3にコンポジットビデオ入力を接続すれば良い。 ※Logic Hは、適当な 5Vの箇所に接続するのが良いが、13Pinに限定すれば 12V電源でも構わない。 誤配線があった場合のダメージを考慮し、4.7〜10KΩの抵抗を通して 12Vに接続すれば安心。 14Pinは 12Vを加えると ICの耐圧を超えるので、絶対行ってはならない。 |
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このパターンは特に説明は不要だろう。 そのまま接続するだけで大丈夫なはずだ。
CN5の Pin13をどう処理するかは悩みどころかも知れないが、次の S-Videoでの応用項目に、内部から Logic用 5Vを取り出す 改造方法を記しておくので、ご参考まで。 |
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3つ目は、Sビデオ入力の例。 このパターンでは改造が必要になる。
先ほどのコンポジットビデオ入力の例と見比べると、色の滲みが減っている様子が読み取れるはずだ。 接続方法はコンポジットビデオ入力と同様、CN5の 14Pinを 15Pin (GND)に接続、13Pinを Logic Hにする。 そして、CN3を Y入力に、改造で追加配線した CN1を 抵抗でアッテネートした C信号に接続すれば良い。 ※Logic Hは、適当な 5Vの箇所に接続するのが良いが、13Pinに限定すれば 12V電源でも構わない。 誤配線があった場合のダメージを考慮し、4.7〜10KΩの抵抗を通して 12Vに接続すれば安心。 14Pinは 12Vを加えると ICの耐圧を超えるので、絶対行ってはならない。 |
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それでは、お約束の改造 を行うことにしよう。
手順をまとめてみると、こんな感じになる・・・
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1. CN5の12Pinに、内部5V電源から配線を接続する。
5Vを取り出せるポイントはたくさんあるが、多層基板の内層部分に潜り込んでいる箇所が多いので、意外と迷いやすいという現実がある。 とりあえず、R51と R46(0Ωチップ抵抗)の 取り付けてある場所が、パターンも大きくわかりやすそうなので、ちょっと距離が長いけど今回はここから拝借することにする。 ※入力を 1系統使うだけの場合は必須の改造ではないのだが、たかが リード線1本 だけなので、面倒がらずにゼヒ実行を (^^; 2. 不要部品となる、T1(クロマトラップ)、R37(0Ωチップ抵抗)を取り外す。 0Ωチップ抵抗は、そのまま両方の端子に同時にコテを当て、ぬぐい取るように外してしまえばOK、最悪紛失してしまっても大丈夫だ。 一方の T1は、何かの事情で元に戻したくなった場合を考え、破壊や紛失しないよう、少し慎重に片足ずつ浮かせて外してやろう。 3. 0.1uFセラコン(リード線タイプ)を、元R37のHOT側〜T1の1Pinに接続する。 GNDに落としてあった R37がなくなって C信号入力が使えるようになったので、DCカット用コンデンサを HOT側(IR3Y29の5Pinにつながっている方)と、 中継用の足場として、取り外したT1の 1Pinがあった場所に接続する。 |
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4. T1の1Pin〜CN1の1Pinを適当なリード線で接続する。
5. CN3の2Pin〜CN1の2Pinを適当なリード線で接続する。 先ほど取り付けた 0.1uFセラコンから C信号のリード線を出し、CN1の1Pinへ接続する。 そして、Y信号の GNDとして使用する CN3の2Pinから、同様にCN1の2Pinへと接続する。 ちなみに、私はタッチパネルを使用しないつもりなので、CN1は完全にフリーとなっている。 タッチパネルを使用する予定のある方は、 CN5の空き端子に接続する等、各自アレンジしていただきたい。 5. S端子コネクタに39Ωの抵抗(リード線タイプ)×2本を取り付け、配線する。 適当な 4Pin Mini-DIN端子に Y/Cそれぞれの配線を行う。 C信号系統は、信号レベルを IR3Y29の規定値に合わせるのと 75Ω終端を兼ねて、39Ω×2による分圧回路を通してから配線する。 まぁ、実際にはバースト信号のレベルを基準に AGCが効いているので あまり意識しなくても良いのだが、75Ω×1も 39Ω×2もあまり手間としては変わらないので、まぢめに分圧しておくことにする。 |
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2008/12/28 Yutaka Kyotani (暫定公開)
2009/01/04 Yutaka Kyotani (追記) | ||||||
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