液晶自作キット SP<15.1" SET> (Page 3 / 3)

 オーディオミキサー追加と、ケース構成部材の取り付け


■ オーディオ入力端子を複数取り付ける・・・

最初のページでも触れたように、チューナーユニットそのままではオーディオ入力は一系統しかサポートしていない。 したがって、 PCの音声とビデオ入力の音声は同時に接続することができず、ケーブルを差し替えて使う等の運用を迫られる。
このモニタは子供に使わせることを想定しているので、この運用はあまりにも配慮に欠けている。 現実的な解決方法を・・・ ということで検討した結果、 PCとビデオ入力の音声を適当な比率でミックスできる「ミキサーアンプ」を作成し、二系統同時接続した何れの入力ソースからでも 音声信号が入力できるようにしている。
但し、これは切換ではなくあくまでも「混合」なので、色々と注意点は存在する。 そのあたりはよろしゅうに (^^;

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■ 追加部分の回路構成・・・

簡単に作成できるレベルで・・・ と考えてみたが、部品点数はそれなりかも知れない (^^;

▲ ミキサーアンプ基板 (部品側)[拡大写真]
▲ ミキサーアンプ基板 (配線側)[拡大写真]

一般的なミキサーアンプとしては、OPアンプの反転入力から適当な抵抗で複数の入力端子へつないでしまうという方法が有名だが、 普通に作ると入力インピーダンスが低くなるという欠点が存在する。 一般的なアンプとしては数10KΩの入力インピーダンスを確保しなければならないので、 そのためにバッファアンプが必要になったりと、あまり簡単な回路で済みそうにない。 そこで、今回は普通のゲインを持った非反転アンプを入力毎に割り当て、 その出力を VRと抵抗で混合する方式にした。 抵抗による混合はゲインのロスが発生するが、入力部のアンプで約三倍のゲインを確保しているので、混合ロスは十分カバーできるはずである。

結局は何だかんだとそれなりの部品点数になってしまったが、回路図はこちら。
電源などの引き出しについても記してあるので確認して欲しい。


あまり特殊な回路ではないので、詳細説明は省略させていただくことにする。
製作にあたって、特に注意が必要な点はないと思うが、それぞれの入力端子からミキサーアンプへの配線は、 ノイズの影響を受けやすい部分でもあるので、L/Rを入力系統毎にまとめて二芯シールド線を使用している。 また、 OPアンプは東芝の TA75558Pを使用したが、入手できない場合は 4558DD(JRCほか)を使用すれば良いだろう。

▲ ミキサーと入力端子部オモテ側[拡大写真]
▲ 入力端子部をウラ側から見る[拡大写真]

入力端子部分はこんな感じでまとめている。
映像入力端子 〜 A200Kへの接続は、付属品のケーブルを加工して使ったのでちょっとかさばっている。 オーディオ入力端子への配線は 前述の通り二芯シールド線を使ってまとめてみた。

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■ 「脚」を作成して取り付ける・・・

最後はやはり板金工作だ・・・ 「脚」を作って取り付け、何とかカタチにしよう (^^;

市販品のモニタは大抵樹脂製の脚が使われており、せいぜい金属の「芯」が入っている程度だが、やはりアマチュアには樹脂を好きなカタチに成型して・・・ というのは かなり無理があるようだ。 ということで、今回もやはり金属製の脚を板金工作で自作することになってしまった。

▲ 「脚」と「土台」
▲ 土台部分をウラ側から見る

このモニタを構成する部品はけっこう重量級のモノが多いので、脚も気合いを入れて作らないといけない。
土台部分は、以前の工作でも実績のある、アンプ等のフロントパネル用コの字型アルミ材。 今回は少し大きめの 250mm×150mm×15mmのものを定尺のまま使用。 裏面には大きめのゴム足を合成ゴム系接着剤で貼り付け、それに 3mm厚×30mm幅のアルミ材を曲げて支柱に加工している。 硬い・・・

▲ 本体と脚を固定するノブ付きネジ[拡大写真]
▲ ケースへのマウント部分[拡大写真]

支柱には M5のタップでネジ穴を掘り、本体側からはゴム板を貼り付けたアルミアングルで受けるようにしている。 それをノブの付いた 5mmのネジでしっかりと締め付ければ固定完了・・・ と。

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■ 「裏ブタ」を被せれば、いよいよ完成・・・

チューナーユニットとミキサーアンプの載った部分の上に、パンチングメタルで作った裏ブタを被せてやれば、いよいよ完成だ。

▲ パンチングメタルで作った裏ブタ
▲ 裏ブタを被せてみた

2004/10/03 Yutaka Kyotani

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