PrPbY→RGB トランスコーダーを使ってみる (4 / ?)

■ 同期信号系統を改良する2 (Part-4:まぢめにバッファを入れる編)・・・


H-SYNC出力抵抗 R24に 100Ω程度の抵抗をパラにすることで大抵の場合は大丈夫だと思うが、マジメにバッファを入れたい と思う方もあるかも知れない。 一応試してみた例を記しておくので、必要と思われる方はどうぞご参考まで。

尚、バッファの入れ方も 二通り+α あるので、目的に応じて使い分けて欲しい。
  • バッファ用ICチップをただ取り付けるだけ。
    ※この場合、同期信号の極性が反転する。 大抵のモニタでは問題ないが、動作確認が必要。


  • バッファ用ICチップを取り付けた後、余りゲートの処理を行う。
    ※上記と同様、同期信号の極性が反転する。 余りゲートの入力ピンが浮いている という精神衛生上良くない事象が解決される。


  • バッファ用ICチップを取り付けた後、余りゲートをパラにして再度反転、出力させる。
    ※同期信号の極性は現状と同じ 正極性のパルス が出力される。 ドライブ能力も高まるが、配線が面倒 (^^;
バッファと言っても、一般的に売られている ICチップは 7404/7414に代表されるインバータ(信号の H/Lを反転させる) なので、上記のような注意点がある。

それでは、例によって手書きで申し訳ないが、回路図を見ていただくことにしよう。
前ページでの追加変更箇所は 青色、このページでの追加変更箇所は 緑色 で書き加えてある。




今回は、どうせやるなら・・・ と、最後のパターンを試してみたが、やはりそれなりに配線の手間がかかる (^^;
配線の状況を写真で確認し、ご自身の納得できるレベルで対応していただければと思う。 

それでは、行ってみますか?!


▲ これからチップを載せるパターン[拡大写真]
▲ バッファ用チップ 74VHC04ほか[拡大写真]


左上のイメージは、これから ICチップをマウントする場所のパターンである。
矢印の先に U6とシルク印刷された場所が用意されており、オリジナルの状態では 1〜2Pin、12〜13Pin間にハンダが盛ってある はずだ。 すなわち、使用するゲートの入出力相当場所を直結してジャンパーされた状態になっている。 ちなみに、内蔵 6ゲートのうち 4ゲートが 未使用となるのだが、入力ピンは浮いたままで何の処理もされていない (^^;

右上のイメージは、これから実装する予定の ICチップ。 東芝の 74VHC04 SOP品を用意してみた。
一緒に写っている別の ICは、大きさの比較用に持ってきたものだ。 上記 74VHC04では想定されているパッケージサイズよりも大きく、取り付け自体は 可能だが 作業性が悪くなる ので注意が必要だ。
海外で売られているフラットパッケージ品は、一緒に写っている ICのようにパッケージの幅が狭いものが主流なのだが、日本国内ではさすがに入手製が よろしくない。 まぁ、マウントできない訳ではないので、今回はそのまま行ってしまうことにする。
あと、類似の ICでは 74VHC14等でも良く、入手できなければ 74HC04や 14でも使用できるが、VHCシリーズの方が少しだけドライブ能力が高いようで 今回の用途には都合が良い。


▲ 盛ってあるハンダと不要部品除去[拡大写真]
▲ バッファICとパスコンをマウント[拡大写真]


最初のステップとしては、盛ってあるハンダと不要部品の除去ね。
3パターン記させていただいたうち、最初 2パターンの バッファICを追加するだけ の場合、不要部品は発生しない。もし最後の パターンを試される場合、R24、R25は不要になるので取り外す必要がある。
ハンダ吸い取り線が必要になるかどうかは微妙なところだが、パターンにハンダが盛り上がった状態では、ICチップマウント時などに 浮き が発生する可能性がある。

次の作業は、バイパスコンデンサと ICチップのマウント。
最初に、C10のパターン上、0.1uFチップセラコンを取り付ける。 その次に ICチップ 74VHC04を、パターンの余分をうまく配分しつつ取り付ける。
パッケージサイズが合っていないため、プリントパターンのランドに余裕がほとんどなく、パスコン自体も後からでは取り付けにくい状態だ (^^;

最初の改造パターン バッファ用ICチップをただ取り付けるだけ の場合、とりあえずここまでで完了だ。 R24に 100Ωを まだパラっていない方は、併せて作業を行っておくと良いだろう。 ついでに R25にも 100Ωをパラっておくのがベストな選択かな。

2番目の改造パターン バッファ用ICチップを取り付けた後、余りゲートの処理を行う の場合、上記 R24、R25への 100Ω 追加の後、74VHC04の 2〜3Pin、5〜6Pin、9〜10Pin、11〜12Pin間の計 4箇所に ハンダを盛って短絡させる 処理を 行っておく。 ※この処理が必須かどうかは意見が分かれるところだが、私が意見を求められた場合 必須の処理という答え を返すようにしている。


▲ ジャンパ用リード&抵抗を整形[拡大写真]
▲ 同左 〜別アングルから〜[拡大写真]


続いて、ジャンパー用リード線と、出力用抵抗兼ジャンパー線の整形を行う。
こちらは、最後の改造パターンを試す方のみ必要な作業だ。

詳細は写真を見てもらうとして・・・ 結構ダルい作業かも (^^;
整形されたブツが 1.27mmピッチ2つ分 であることが重要なので、現物合わせで少しずつ整形しよう。


▲ ジャンパ用リード取り付け[拡大写真]
▲ 続いて出力用の抵抗も取り付け[拡大写真]


仕上げは、先ほど整形したジャンパー用リード線と抵抗のマウント。
はっきり申し上げて、自分でも この作業はダルイ と感じたのが正直なところ (^^; 一般的趣味人間の方にお勧めできる内容では なさそうなので、納得できた方のみ 試していただければと・・・ はい。

細かいことは抜きにして、詳細は写真をどうぞ。


▲ 追加部品取り付け&配線完了![拡大写真]
▲ 同左 〜別アングルから〜[拡大写真]


上 2枚のイメージは、部品のマウントが完了した基板を、バッファ用ICチップ手前と奥側、別々のアングルから見たところ。 ゲートを 2ユニット パラにして使うことでドライブ能力は確実に上がるのだが、やっぱり微妙かな・・・



▲ H/V-SYNC 〜2UnitBuffer〜
 ( H、 V-SYNC出力端子)[拡大波形]

▲ H/V-SYNC 〜2UnitBuffer拡大〜
 ( H、 V-SYNC出力端子)[拡大波形]


結果はご覧の通り・・・。
まだ少し角の丸い波形ではあるが、初期状態からするとかなり改善されている様子が読み取れると思う。

ここでは同期信号ネタに関してこれ以上触れないが、上記 3パターン以外にも、応用次第でかなりの改良バリエーションがあるので、各自の 求めるレベルと手間を天秤にかけ、納得できる方法をお試しいただきたいと思う。



2008/12/21 Yutaka Kyotani (暫定公開)

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