綱取物語の液晶パネルをパソコンで制御する
はじめに
さて、平和の液晶パネルは・・・・ と一口にいっても、非常に多くの種類がある。
パチンコをされる方ならご存じの方も多いと思うが、最初に液晶パネルを表示に使ったのは
「麻雀物語」である。 この後には数多くの台が世に出ているわけだが、初期のタイプ
(液晶が3インチで特殊な表示を行っていないもの)は、どれも似たような構成ではないかと
思われる。 台自体の説明は省略させていただくが、この「綱取物語」は、同タイプの中では
比較的後期に発売された台だ。 しかし、何故か表示は単純である(笑)
この台を打ったことのある方はどんな表示か思い出してみよう。
試行錯誤を行う必要がある場合など、表示内容がある程度わかっていると非常に有利だ。
実験環境について
インターフェースのところでも書いたが、今回はDOS環境のPC98と、
DOS版BASICを使用して実験を行った。
こんな環境をまだ置いてあるという方は少ないかと思うが、
自作ハードをパソコンに繋ぐならDOS環境は必須、BASICも試行錯誤には
なかなか便利な存在だ。
液晶パネルの制御
まず、液晶パネルを買ってきたら、ふたを開けてROM容量と
端子部に配線されている信号線の状況を調べておくと予測が立てやすい。
このテの機器では、何ビットかのデータをセットした後、ストローブ信号を
上げ下げしてデータを取り込ませるという手法が一般的なので、
こいつを見つけることから全てが始まると言っても過言ではない。
ま、いろいろと書きましたが、要は片っ端からデータを書き込んでみて、
画面の変化があるかどうか確認すりゃえぇ・・ ということですな (^^;;;
前置きが大分長くなってしまいましたが、「綱取物語」の調査結果です〜っ。
- 1.ROM容量
- 2MBit(27C2000)
- 2.データビット
- ビット0〜12(0000H〜1FFFH)
- 3.ストローブビット
- ビット14(4000H)
- 4.画面分割
- 6分割
実際に制御するには、まず・・・
1.データビットを適当に設定する
2.ストローブビットをHレベルにする
3.ストローブビットをLレベルにする
これが1データの書き込みだ。
この液晶パネルの場合は画面が6分割されているので、一画面全ての書き込みには・・・
4.書き込みを6回繰り返す
となる。
ここで、データビットの意味だが、内部で使っているキャラクタジェネレータの
ROMアドレス(ラインカウンタと言う方が正しいか?!)ということになる。
縦に長いロールペーパーに、表示したい絵柄が続けてたくさん描いてある状態を
思い浮かべて欲しい。
この任意の位置を始点として、画面上に6カ所ある表示エリアに貼り付けるという
イメージになる。
右の図が実際の画面イメージを図にしたものだ。 この中の黄色の数字は
表示エリア、白い数字はそのエリアのサイズ(ドット)だ。
ちなみに、表示エリアが6分割されているというのは、単純に小さな表示窓が
横に3列、縦に2列並んでいるだけである。 これなら大きな絵の一部だけが
動くようなアニメーションも負担が軽いだろう。
それに絵柄と絵柄の中間も縦方向にはドット単位でアドレスがあるので、
スムーススクロールもどき(?!)はお手のものである。
しかし、横には動かせない・・・(笑)
このように、データ(ROMアドレス)を6回続けて書き込んでやることで、
画面が左上から順に書き変わってゆくことになる。