ジャンク液晶モニタ復活事例 F15T51編 〜 F15T51を分解する (Page 1 / 1)

■ F15T51を分解する・・・


と言う訳で、早速ケースを開けて分解開始と行こう!
・・・と気合いを入れてみたが、実はネジ穴らしきものがほとんどなかったりする (^^;

ケース裏面にも、ネジ穴らしきものはないようだ。 スタンドの取り付けネジっぽいのがスキマから覗いているが、 こんなものを最初に外す手順ではない筈だ。


▲ ケースの左サイド
▲ ケースの右サイド


ひとまず、裏面と左右両サイドを確認・・・
左サイドには、USB端子が2個と、カバーの奧に DIP-SW、それにリセットボタンらしきものがある。
右サイドには、音量、明るさの VRと、ヘッドフォンジャック。 どうやらこの部分のフタははめ込み式の様子だ。


▲ まずは裏ブタを外してみた[拡大写真]
▲ 前面パネルも取り外す[拡大写真]


まずは、裏ブタと前面パネルを外してみた。
裏ブタは、前述の通り単なるはめ込み式のもので、ツメのあるところを内側に押さえてやりながら順に外して行けば OK。
前面パネルははめ込み式なのだが、液晶部分と下部のスピーカーが取り付けられているパネルが一体でなく、内部に ネジ止めされている部分もあるため、少々厄介だ。
手順としては、まず下部パネルのツメのあるところを順に外し、下部パネル全体を取り外す。 続いて、中央の LEDが実装されている サブ基板が液晶部分を覆っているパネルの根本と共締めされているので、ネジ 2本を取り外す。 最後にこのパネルのツメを外して行けば ご本尊の液晶パネルがお出ましだ。

ケース裏側から伸びている太めの信号ケーブルは、ケース内部で 3方向に分岐している。 ひとつはケースの仕切りを貫通して 内部に取り付けられている基板に伸びており、何とシールド用の銅箔付き布テープが巻かれている。
裏面向かって左側の基板へは、太めの線が数本と、シールド付きケーブル。 おそらく電源関連とオーディオアンプが 搭載されているのだろう。
右側へは、シールド付きケーブルを含めて細いケーブルが数本。 USB関連の信号線も、この信号ケーブルに同居しているようである。

続いて前面。 ケース下部には、エンクロージャーに格納された小型スピーカーと、LEDサブ基板が取り付けられている。 スピーカーは 一応バスレフタイプのようだが、音質は如何に。 あと、前面パネルには UHF帯用と思われるループアンテナが取り付けられており、 同軸ケーブルがケース裏側へと伸びている。


▲ USB-HUB / ワイヤレスキー受信部[拡大写真]
▲ オーディオ・電源部基板[拡大写真]


液晶パネルが取り付けられている鉄製のフレームは、モニタ全体のシャーシーを兼ねているようである。 フレームの一部が整形されて裏面に伸び、 基板類を固定する金具として使われていたりする。 つまり、ケース裏面に装着されている基板類を全て外してしまわないと、液晶パネルも 外せない・・・ と (^^;
とりあえず、バラバラに分解してしまう前に、もう少し観察しておくことにする。

左上の写真は、USB-HUBと、ワイヤレスキー受信部と思われるユニットだ。
どうやら、このモニタとペアになる PCには、ワイヤレスキーボードおよびワイヤレスマウスが付属していたようである。 ちゃんと使えれば 便利なのかもしれないが、今さらこんなものは入手できないだろうし、USB-HUBもどうせ低速な USB1.1だろう。 ということで、撤去の方向で (^^;

右上の写真は、オーディオおよび電源回路が搭載された基板。
基板の約半分が、PCから供給される 12Vをロジック用 5Vに降圧するスイッチング電源、残り半分が TDA7053Aを使用した ステレオのオーディオアンプとなっている。 その他、ヘッドフォン端子、音量調整およびバックライトの明るさ調整 VRが装着されている。
電源回路は、同機能のものを別に用意しようとすると大がかりになることが多い。 また、ケースにはスピーカーも装着されているので、 オーディオアンプを含めて、調査の上再利用する方向で考えるのが良さそうだ。


▲ 液晶パネルのフレーム[拡大写真]
▲ 液晶パネル裏面[拡大写真]


ケース裏側に装着されている基板類を全て撤去、そしてスタンドも取り外す。 最後に前面側から固定されている ネジを外して、ようやく液晶パネルが取り付けられているフレームを分離することができた (^^;
こんなメンテナンス性が悪い筐体は久しぶりである・・・
さて、この時点でフレームのスキマから、液晶パネルの型番が覗いていたりする。 どうやらパネル自身は NEC製ではないようだ。

液晶パネルとフレーム内側に装着されている基板とのケーブル、固定ネジを外せば、ようやく液晶パネルとご対面。 結構長い道のりである (^^;
最初の方で、パネルの固定ネジを外せば分離できるかと思ったのだが、ケーブルがひっかかって外せなかったという現実がある。 きちんと現物を確認してみると、 ケーブルの途中を クランパーで固定 してあるのだ。 これじゃ外せなくて当然だわ・・・
もう一度書いておこう。 こんなメンテナンス性が悪い筐体は久しぶり である・・・

ということで、取り外した液晶パネルを観察してみよう。
液晶パネルの型番は TX38D30VC1CAA 日立製だ。 日立の液晶はデータシートが入手し難いことで有名だが、今回のパネルに関して、信号コネクタは 一般的な LVDSっぽいのが幸いである。
裏面向かって左側には、黒いカバーがかかったバックライトインバータ。 右側には、信号処理回路用の基板が装着されている。


▲ バックライトインバータ基板[拡大写真]
▲ 信号処理回路基板[拡大写真]


左上の写真は、バックライトインバータ。 黒い樹脂製のカバーが被せられていたのを取り除いてみた。
配線をざっと見てみると、蛍光管は上下各2灯、合計4灯のようである。 上下それぞれ低圧側の配線が共通になっており、 2組に分かれて高圧トランスへと配線されている。
で、発振回路も2組あるのかと思えば、実は1組の発振回路で高圧トランス2個を駆動 (パラレル) しているようだ。

右上の写真は、液晶パネル内部の信号処理回路基板。
前述の通り、一般的な 20Pin LVDSコネクタのようである。 コネクタ付近のプリントパターンもひじょうにわかりやすく、 電源、GNDと、5組ペアの信号線 (4組+クロック) が確認できる。 基板中央付近には、LVDSレシーバ THC63LVDF84Aと、 EPSON印のカスタムLSIなどが搭載されている。

2005/09/20 Yutaka Kyotani

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