GTSチャージャー取り付け記「解析編」


■GTSチャージャーを解析する

やはり、分解は解析の第一歩である(笑)
ということで、燃調コンピューターとタイマーユニットのフタをおそるおそる開けてみた。


まずは左側、こちらがタイマーユニット。 燃調コンピューターからのトリガーで、チャージャーユニットにつながる リレーを作動させ、あらかじめ設定してある時間になるとオフにするという「時限タイマー」だ。 なぜか本体とは別の筐体に入っている。 本来このテの単機能(失礼!)な付加装置は、別構成にすると結構コストアップの要因になったりするんだけどネ・・・
主要部品の方は、まず三端子レギュレータ 78L08、リレーと LEDドライブ用に 2SC1815、それにICが二つとフォトカプラーだ。 あと、動作時間設定のための VRと ON/OFF用の SWが前面に取り付けてある。 チャージャーユニットを制御するリレーは結構大きなものが付いているのだが、 これを 2SC1815でドライブしている。 電流の方は大丈夫なんだろうか?  ベースに入っている抵抗も 10Kなので、あまり大電流を扱うような雰囲気はなさそうだ。
ちなみに ICの名前は判別できないように表面が削られているが、多分 4093Bと 555なんだろうな〜 (^O^)

続いて右側、燃調コンピューター本体だ。 フタを開けるといきなり右後ろ側に巨大なパワートランジスタがお出ましだ。 その他に目に付くモノとしては、補助基板に取り付けられた黄色いリレー。 他は別段変わった部品はないようだが、 比較的 C、R、TRなどの個別部品が多いような感じがするのは気のせいか・・・
主要部品の方は、パワーTR 2SD1314、それのドライブ用と思われる 2SA684、他に 2SC1815と2SA1015が数個、三端子レギュレータ 7808、フォトカプラ、4000シリーズと思われる ICが2個と、詳細不明の ICが3個といったところ。 ICは例によって表面が削られているが、 4000シリーズの方は回路の雰囲気からすると多分 4011Bと 4049Bでしょう。  尚、他の詳細不明な ICについては、私の根性不足のため調査はあきらめました (^^;;
その他、前面パネルには「RPM」「ACCEL」「FUEL」の設定用 VR、「RPM」「ACCEL」のインジケーター用 LEDが取り付けられている。


■燃調コンピューターの回路について

さて、一通り調査して回路図らしいものは書いたんですけどねぇ・・・ こんなものを無断で出してしまうと色々と問題ありそうなので、 とりあえず主要部を簡略化した「ブロック図」で説明させていただきましょう。

燃調コンピューターへは 3系統の信号が入力されている。 まずはエンジンの回転パルス、アクセルレベル、そして 燃料噴射用インジェクターへの配線を横取りしたものだ。 そして出力は 2系統、インジェクターをドライブする出力と、 モーターコントローラーへの出力がある。 あと、もう 1系統出力らしい端子があるのだが、配線が結果的にどこにも つながれていないため、こちらは追いかけるのを省略することにした。

まずは回転パルス。 保護回路と CRによるフィルタを通ってトランジスタで受けた後、いきなり詳細不明の 8PinICに 接続されている。 F/V変換か時定数による判定か詳細は調査しなかったのだが、とりあえずこの ICに「RPM」の VRが 接続されており、ICの出力はもうロジック ICにつながっている。

続いてはアクセルレベル。 こちらも保護回路を通った後、いきなり別の 8PinICに入っている。 例によって 詳細についてはよくわからないのだが、どうやら直流レベルの比較だけのようなので、深く追求することもないだろう。 こちらも ICに直接「ACCEL」の VRがつながっており、出力は先ほどと同じくロジック ICだ。

ロジック ICは両者の信号を判定し、回転数とアクセルレベルが何れも設定値を超えた場合に出力をハイレベルにする。 同時にフォトカプラと補助基板に取り付けられたリレー(後述)も ONの状態となる。
また、この ICの一部と 2SC1815を使って RPMの LEDを点灯させている。 ちなみに ACCELの LEDは、先ほどの 8PinICの出力に 抵抗を通してつながれている。

最後にインジェクターからの横取り信号。 まずはいきなり容量が 2W以上ありそうな 100Ωの負荷抵抗につながれている。 ここから分岐して一方はリレーの NC接点を通って本来のインジェクター出力へ、他方は LED(単なる確認用?)と ダイオードを通ってトランジスタで受ける。 その後が、ダイオードと C、R、VR「FUEL」による時定数回路だ。 ちなみにこのコンデンサは、フォトカプラが ONの時のみ接続されて時定数回路を構成するような感じになっている。
あとはトランジスタ 3段を経て電流増幅されリレーの NO接点へ。 予想通りファイナルはあの巨大なパワートランジスタだ。 出力がリレーの NO接点ということは、ロジック ICが出力をオンにした場合のみ燃調(パルス幅が拡げられた)信号が インジェクターに供給されるということになる。

※「燃調コンピューター」という名前がとりあえずついているようだが、調査の結果 CPUらしき物体は発見できませんでした。  まぁ、こんなもんでしょう・・・ (^^;;


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