液晶自作キット+TOSHIBA LTM08C351 (Page 3 / 3) |
ケースの作成と仕上げ
■ ケースについて検討する・・・
液晶自作キットを買われた方は、私は自分なりに目的を持って買われた方がほとんどだと考えている。 OLD PCのケースを利用して
レストアを考えておられる方。 車載用PCに使おうと考えておられる方・・・ その他にも色々なパターンがあると思う。
私も多少そのケはあるのだが、中には技術的興味だけで購入し、動いたからとりあえずもういいや・・・ という不届きな(?!)
考えをお持ちの方もチラホラと居たりして (^^;
目的を持って買ったということは、動作確認後は速やかにその目的に沿って加工をしてやらなくてはならない・・・
いつまでもバラックのまま放置するのは故障や資料紛失の原因となるだけで、百害あって一利なしだ。 自分が愛着を持って
その製作物を使い続けるためにもやはりケースは必要なモノでしょう (^^;
ということで、回路を考えながら色々と暖めてきたアイディアを エイヤっと形にしてみた。 お好みは
皆さんで色々おありだろうが、一つの例として参考にして頂ければ幸いだ。
・ ・ ・ ・
■ 実装上制約のある部品をどう扱うか・・・
液晶モニタで
いちばん実装上制約がある部品といえば、やはり
液晶パネル自身だろう。
既に実装方法を決めてしまったものも含めて列挙すると、
- 液晶パネル自身。
- 入力コネクタ類。
- 操作スイッチ類。
とりあえずはこんなところだろうか。
実験段階で液晶パネルと基板をマウントするためのシャーシーを用意し、コネクタ類も総替えの上別途アングルを使って
実装してあるので、残りは操作スイッチだけである。
現時点の考えとしては、シャーシーの両サイドに金具を取り付け、周りをアルミ製の板材で囲ってそのままケースにまとめてやろうと考えており、
何れかの面からスイッチが顔を出す構造が有望だ。
他の方の製作例を見ていると、自作キット付属の OSD Key基板をそのまま平面配置し、リベットをボタンの代用にしてパネル面から顔を出すように
実装されている方が多いようだが、私はケースを小型にまとめたかったので、この OSD Key基板を平面配置するだけのスペースの捻出は断念した。
当初、もう少し実装しやすいボタン一体型のスイッチと取り替えようかとも考えたのだが、なかなか小型で体裁の良いスイッチと巡り会えなかったため、
こちらも没 (^^;
結局は、パネル上面に角穴を開け、基板を固定するために使う真鍮製のスペーサーをボタンの代用として使うことにした。 自作キット付属の
OSD Key基板は SWの実装位置が片側に寄せてあるので、液晶パネルの裏面にぴったり当たるように取り付ければ何とか寸法の方も OKのようだ。
まずはシャーシーの上面を切り取り、マウント用の L金具を取り付ける。
この L金具は 15mm角、肉厚1.5mmのもので、ネジ穴にはそれぞれ M3のタップであらかじめネジを切ってある。 これを左上の写真のように、
シャーシーの下側から挿入して 3ヶ所ネジ止めしている。 ちなみにシャーシー側のネジ穴は、後からボタンのクリアランスを微調整できるよう、
細長く加工しておくのが良いだろう。
続いて、自作キット付属の OSD Key基板を装着したのが右上の写真。
私は 4mmのスペーサーを使って L金具にネジ止めした。 ちなみにこの基板、本来はケーブルコネクタが手前または下側に来るのが本来の使い方らしく、
この実装方法で手前から操作しようとすると、右カーソルと左カーソルの位置関係が逆になってしまう (^^; ということで、コネクタのハウジングから
4Pin(LEFT)と 8Pin(RIGHT)のピンを抜き取り、逆にして刺し直している。 あと、1Pinの AUTO CONFIGボタンは、前頁でご紹介している輝度調整のために
転用している。
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■ 部材を取り付けよう・・・
それでは、ケースを構成する部材一式をご覧いただこう。
右上の写真が、今回のケースを構成する部材一式だ。
まずはシャーシーの両サイドに写真中央の金具を取り付け、その両側に化粧パネル、上下には前面のアクリル板固定を兼ねた
化粧 L金具を取り付ける。
両サイドに取り付ける金具はあらかじめ M3のタップでネジを切り、そのまま化粧パネルを重ねてネジ止めすれば固定できるように
配慮してある。 また、上下面の化粧 L金具は板厚が 1.5mmと、皿ネジを使うには少々足りず、タップを切って固定することが
できない。 そのため、上下面の固定ネジ穴のみ 4mmの穴を開けて、内側に M3のナットをエポキシ樹脂で貼り付けている。
上面の押しボタン部分を裏側から見たのが右上の写真。
外径 6mm、内径 3mm、長さ 8mmの真鍮製スペーサーを押しボタンに使っている。 LEDのある場所は、ポリカネジという
樹脂製のネジを適当な長さに切り、裏側からねじ込んで導光用に使っている。 ちなみに、スペーサーの中心を貫通しているのは 1.6mm
VVFケーブルの芯線。 その上からはクリアファイルを切り取ってスリットを入れたもので押さえてある。
しかし・・・ この方法では角穴を開けないといけないため、やはりしんどいっす (^^;
リベットでも良かったかな・・・
両サイドの金具を取り付けたところ。
右上の写真は、前方右側から見たところだ。
液晶パネルの右側は、バックライトの配線を引き出す関係でデッドスペースができてしまうのだが、このスペースを有効利用することは
なかなかは難しそうだ。
両サイドと下側の部材を取り付けたところ。
ちなみに両サイドの板材は、幅 30mm、厚さ 3mmのものを使っている。 そこそこ重量感があって良いのだが、切断とヤスリがけは結構大変だったりする。
続いて裏蓋と前面パネルを取り付ける
裏蓋は、パンチングメタルを適当な大きさに切って切り込みを入れ、折り曲げて作ったもの。 前面パネルは 2mm厚の透明アクリル板の裏面を
液晶表示面に従ってマスキング、黒のスプレーで塗装したものだ。
ということで、とりあえずは完成かな〜。
裏蓋に三脚固定用のネジを取り付け、コンパクトカメラ用の三脚に載せてみた。
・・・が、バランスが取りにくく、当初考えていたほどの使い勝手は得られないようだ (^^;
これは、専用の台を作らんといかんかな・・・
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■ 奮発して、専用台の作成・・・
このあたりまで来るともう意地である (^^;
板金加工はもうこりごりと思いつつ、金鋸とヤスリでガリガリやる休日が待っていたのであった・・・。
安定性の良い台が必要とのことで、アンプのフロントパネルなんかに使われるコの字型高さ10cmのパネル材を買ってきた。 それに、
適当な角度を付けて曲げたアルミ材をネジ止めし、三脚用のネジを使って本体を取り付けようという算段だ。
本体と当たる部分にはゴムシートを貼り付け、高さが調節できるように縦長の穴を開けてある。 この裏側からさらにゴムシートを貼り付けた
アルミ板を当てて、ネジ止めすることになる。
土台になるパネル材は、前に来る方にはゴムのブロックを適当に切って貼り付け、適度なクッションを持った足として使う。 後ろ側は、
高さ(=角度)が調整できるよう、M4のタップを切って、ユリアネジという樹脂の大きな頭が付いたネジを裏側から差し込んで足にしている。 これだけでは
ガタ付くので、オモテ側からは蝶ナットで軽く押さえてガタ付きとユルミ防止としている。
今度こそ、完成〜っ (^^/~
2004/02/22 Yutaka Kyotani (正式公開)
2004/05/03 Yutaka Kyotani (追記)