液晶自作キット+NEC NL6448AC33-18K (Page 1 / 1)

 液晶自作キット+NEC NL6448AC33-18K


■ NL6448AC33-18Kという液晶パネル・・・

このNL6448AC33-18Kという液晶パネル、実は中古パチンコ台 'CRかましの金ちゃん' から取り外したものだ。 最近でこそパチンコ台にも高解像度の液晶が 使われることが多くなっているようだが、この台は比較的古いもので、当時 5インチクラスの液晶を使うのが一般的だった中で、 異色の存在であった。

尚、このパチンコ台については こちら で解説しているので、ご参考に。

さて、この液晶、同じシリーズの類似品種として次の三種類が存在するようだ。



液晶パネル自体が全く同じものかどうかというのは何とも言えないところだが、互換性に関しては特に問題はないと思われる。 但し、 今回はインバータの改造を行い、スタンバイ時にバックライトを消灯させる機能を追加するため NL6448AC33-18Kの付属インバータ以外では 改造内容の見直しを行わなくてはならない。

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■ 早速接続してみよう・・・

それでは早速接続してみよう。
接続対象は A-100Kだが、標準仕様では SVGA液晶のみの対応で、付属の信号ケーブルもピン数が異なるため、追加パーツが必要となる。



購入した NL6448BC20-80専用信号ケーブルの結線を調査したのが下の図だ。 NEC製液晶の一部で Pin30、31に特殊機能が割り当てられているものがあるため、 このケーブルでは本体基板側のハウジングからこれらの端子につながるピンを外した状態で出荷されているようだ。
NL6448AC33-18Kでは、Pin30、31とも未使用 (NC)なので、どこにもつながず、熱収縮チューブ等を被せて絶縁しておこう。
その他の信号線についても、このケーブルそのままの結線で特に問題なさそうである。


あと、この液晶パネルは、設定を裏面にあるスイッチで変更するようになっているため、確認しておく必要がある。
パチンコ台に使われていたそのままでは、表示エリア識別のための DE信号を使用しない 固定モード が選択されているため、 忘れずに SW5の設定を DEモード に設定しなくてはならない。 これを行わないと、画面の位置がずれた状態で表示される。


尚、SW1〜4までのスイッチはスキャン方向を設定するためのもので、全て一括で切り替えを行う。 図の設定で リバーススキャンとなっており、上方向の視野角が広い状態だ。

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■ バックライトインバータについて検討・・・

この NL6448AC33-18Kにはバックライトとして二本の蛍光管が実装されている。
また、最初に触れたように減光機能のあるインバータが付属しているが、残念ながら消灯の機能はない。
液晶自作キットにもバックライト用のインバータは付属しているが、蛍光管 1本仕様のもののためそのままでは接続できない。
結局のところ、どちらを採用するにしても何らかの改造が必要になる が、その難易度を考えると 液晶パネル付属のインバータに消灯機能を付加する改造を行う 方が楽である。

回路の詳細については省略させていただくが、減光時に動作する MB3759によるPWMを、外部から強制的にデッドタイム最大に制御することで 結果的に出力が OFFになるようにしている。





▲本体基板への接続ケーブル
※何れも画像をクリックすると拡大表示。










今回は、それぞれに拡大写真を用意したので、改造を行う前にご自分がお持ちのインバータと異なるところがないか、改造前の写真と比較する等 十分に確認いただきたい。 ※それぞれの写真をクリックすると別窓で拡大表示。

改造に使用する部品だが、小信号用のスイッチングダイオードを 1本用意して欲しい。 私は東芝の 1S1588を使用したが、ROHMの 1SS133、日立の 1S2076Aなどでも問題なく 使用できる。
このダイオードを、基板のシルクが読める方向に見ていちばん左端、D2の右上の端子と D1の左上の端子が結ばれている中間のスルーホールから、 コネクタ CN1の 5Pin間に接続する。 その際、D2と D1の中間点がアノード、CN1の 5Pin側がカソード(帯のある方)になるよう接続しなくてはならない。
基本的にはこの改造だけで OKなのだが、液晶自作キットの BKLT_ON/OFF信号はあまりドライブ能力がないのが判っているので、 念のため 12Vラインへのプルアップ抵抗 R7 (4.3KΩ)を外しておくと良いだろう。

最後に本体基板とインバータを接続するためのケーブルを作成すれば OKだ。


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■ 回路的にはこれでOKだ・・・

▲ 動作テストの様子
※画面をクリックすると拡大表示。
とりあえず、これで動作の方は OKだ。
ケースの加工については、追い追い作業を行いたいと思う。

現状でわかっている点について少し補足しておくと・・・




2004/05/30 Yutaka Kyotani (公開)

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