パソコンの画面を映したいのですが・・・ (Page 2 / 2) |
TVC-XGA改造法
■ TVC-XGAに 15.75KHz RGB出力端子を取り付ける・・・
前頁でも少し触れさせていただいたが、この TVC-XGAというダウンスキャンコンバータ、SCART端子などの水平走査周波数 15.75KHzのアナログ
RGB信号が取れるコネクタは取り付けられていない。 しかし、定番の RGBエンコーダICである SONY製 CXA-1645Mが使用されていることが判明しているため、
比較的簡単な回路を追加するだけで、インピーダンス 75Ωの負荷がドライブできる RGB出力端子を取り付けることが可能だ。
尚、この改造方法は CXA-1645M/Pを使用している他の機器にも有効なので、覚えておいて損はないだろう。
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▲ ケース内部 左後部にCXA-1645M | [拡大写真] |
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この TVC-XGAは 3年ほど前に中古で購入したもので、既に現行製品ではない。 ケースを開けて内部を覗いてみたところでは
使用部品もそれほど軽薄短小化が進んでおらず、まだ相当数の汎用部品を組み合わせて作られているのがわかる。
目指す RGBエンコーダは基板の向かって左側後方にあり、ダウンコンバートされた出力を得るための端子群も
左サイドにまとめられている。
ということで、早速この TVC-XGAに 15.75KHzの RGB出力端子を取り付けるための手順検討にはいることにする。
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■ RGBエンコーダ CXA-1645Mのアプリケーションと追加回路・・・
この定番と言われる RGBエンコーダIC CXA-1645Mもディスコンになってしまったようだが、これまでに相当数が使われてきた
実績もあって、参考資料の入手性はそれほど悪くない。
まずは最初のステップとして、ICのデータシートから応用回路を調べて RGB出力のピン周辺の様子が実機でどうなっているか
調査。 その上で必要な回路を追加することにする。
追加部分の回路をまとめてみたのが上の図だ。 R/G/B/Y(C-SYNC代用)各出力への 75Ωの抵抗、カップリング用コンデンサ 220μFなどが必要になる。
今回目的とするアナログRGB出力のピンは、使わない場合は解放しておく のが一般的な使い方だ。 この
TVC-XGAの場合も、ICのピンが載っているランドからはどこにもパターンは伸びておらず、未接続となっていた。
しかしこれは、配線を引き出す場合にすべて CXA-1645Mのピン(1.27mmピッチ)に直接半田付けを行って取り出さなくてはならないことを
意味する。 配線の数としては数本なのだが、その先に抵抗と電解コンを接続しなければならないことを考えると、キレイにまとめるのは
難しいかも。 しかも、データシートには 配線を長く引き延ばすと発振の可能性がある という但し書きが
入っているので、あまり雑に扱うのは考え物だ。
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▲ 追加部品をまとめたサブ基板(オモテ) | [拡大写真] |
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▲ 追加部品をまとめたサブ基板(ウラ) | [拡大写真] |
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ということで、使用する追加部品 75Ωの抵抗と 220μFの電解コン各4本をまとめて サブ基板
に搭載したものを用意した。 これを ICの上部から被せ、目的のピンを直接半田付けしてしまえば省力化も図れて
配線長が長くなる心配もなくなる。
詳細は拡大写真をご覧いただきたいと思うが、75Ωの抵抗をユニバーサル基板に実装する際、穴から出たリード線をそのまま反対側に
ぐるっと折り曲げ、ICの目的のピンにうまくフィットするように整形するのがミソである。 小型化だけが目的ならチップ抵抗という選択も
アリだが、こういう局面ではリード付き部品の方が使い勝手が良かったりする。
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▲ ロジックレベルC-SYNCも引き出す | [拡大写真] |
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出力端子として使うコネクタは、MILコネクタ(ボックスタイプ)の 10Pinを使用した。 少し大きめだが、ケースの空きスペースに余裕をもって
納めることができた。
あらかじめユニバーサル基板の切れ端に取り付け、適当な長さにカットした線材を半田付けしておこう。 尚、足場となるユニバーサル基板は
ケースの上面が斜めになっているため、まっすぐでは収まりが悪くなる。 事前にケースにあてがうなどして削って調整しておいた方が良いだろう。
さらにこの時点で、ロジックレベルの C-SYNCを引き出しておく。 このピンは RGB出力のピンとは反対側にあり、サブ基板を取り付けると
隠れてしまうためだ。
サブ基板を実際に取り付けるとこんな感じになる。
先に 1本だけ仮付けし、位置を微調整して他のピンを半田付けすれば良く、バラバラの線材を個別に半田付けする場合に比べて
作業性も Goodだ。 また、部品の固定を別途行う必要もない。
各端子のICへの半田付けが終わったら、GNDラインを張って手近なGNDである VIDEO OUT用ピンジャックのフレームにつないでしまおう。
出力用コネクタからの配線は、R/G/B/Y各端子とGNDについてはそのままサブ基板に半田付けすれば OKだ。
5V電源は、電源回路に使われている三端子レギュレータの OUT端子(向かって右側)から直接取り出すことにする。
この 5V電源およびロジックレベル C-SYNCの引き出しは必須のものではない。 しかし、標準的なパチンコ液晶以外の応用を実験しようとした場合、
これらがすぐ手の届くところにないと色々と回りくどい手段を使わなければならなくなる。 配線自体はたいした手間ではないので
ゼヒ引き出しておくようにしたい。
また、5V電源には万一ショートさせた場合に対する保護素子の類は入れていないが、基板上に実装されている三端子レギュレータ LM2940-5には
過電流保護回路が内蔵されているので、焼損などの致命傷には至らないという判断だ。
今回は出力用コネクタとして MILコネクタ(10Pin)を使うことにしたので、私がいつもパチンコ液晶の接続用に使っている
EIコネクタ(6Pin)への接続ケーブルを製作した。 信号をあまり長く引き延ばす予定はないので、同軸やシールド線の類は使わず GNDと対応する信号線を撚り合わせて配線している。 MILコネクタは、
撚り合わせた線材を万力にくわえたコネクタに差し込んでそのまま圧力をかければ完了なので、加工自体はひじょうに簡単だ。 ちなみに、
同軸やシールド線を使うとこんなに簡単には決まらない。 EIコネクタ側は個別圧着の上 GNDをまとめないといけないのでちょっとダルイかも (^^;
ということで、ここまで完了したら、いちど実際にパチンコ液晶を接続して動作確認をしておこう。
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■ ケースの加工とコネクタ取り付け・・・
無事に動作確認が終わったら、出力用コネクタを取り付けるためのケース加工を行おう。
本当はケース左サイドか後面にまとまったスペースが取れれば良かったのだが、残念ながら MILコネクタを取り付けるためのスペースは
捻出できそうにない。 ということで、コネクタはケースの右サイド、基板上で言えば制御用 CPUが載っている真上あたりに
取り付けることにする。 後方にはソケットに刺さった大きな ROMが配置されていて高さ制限があるため、後ろにずれないよう位置決めが必要だ。
位置が定まったら、金鋸やヤスリ等でちょうどコネクタのフレームが「ツライチ」の状態で顔を出すよう加工してやろう。
最後はコネクタをエポキシ樹脂かホットボンドで固定して一丁上がり!
お疲れさまでした。
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■ 映り具合はこんな感じ・・・
今回も、前頁と同様パチンコ液晶の中でも比較的解像度が高い CRギンギラパニック(7インチ)を使って試してみた。
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▲ VGA(640×480) サンプル | [拡大写真] |
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▲ XGA(1024×768) サンプル | [拡大写真] |
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結果はご覧の通り・・・
前頁の PowerPresenterとは走査線を間引くアルゴリズムが多少違っているようだが、パチンコ液晶との組み合わせに限れば
それほどの違いはないように思う。 今回の TVC-XGAに関しても、VGA解像度(640×480)に関しては文字も十分判読可能という感じだ。
・掲載している画面サンプルは、各ダウンスキャンコンバータの性能を表すものではありません。
・このページの記載内容について、カノープス株式会社、株式会社アイ・オー・データ機器および販売店への問い合わせは絶対に
されませんよう、お願い致します。
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2004/12/12 Yutaka Kyotani