パチンコ台中古モニタ活用術「スーパーボーイ」編


■スーパーボーイ(三洋物産)
液晶パネルSHARP製 4'TFT LQ4BR12
主要処理 ICIR3P89
入力信号RGB(Hi-Z), Sync(Hi-Z), 電源(12V)
本体改造ジャンパー x4
追加回路R x6
お勧め度★★☆☆☆
購入店・時期等デジット 1996年秋頃(2500円)
他の同系機種野球拳
備考
 
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実験をされる前に 注意書き をお読み下さい。

■このモニタの特徴・・・

SHARP製 4インチ TFT液晶パネルを使用したモニタである。
四隅にある細目のネジを外すと、裏の鉄製カバーが分離できる。 この鉄製カバー側に、 インテリジェント構成の「絵柄処理基板」が、樹脂製ケースの本体側には 液晶パネルを制御するための映像系回路を収めた基板が装着されており、 両者は 7ピンのコネクタで結線されている。
通常のモニタとして利用する場合、カバー側に付いている「絵柄処理基板」は不要になるので、 この基板を取り外したあとに、RGBデコーダーやオーディオアンプ、スピーカーなどを 組み込むことができそうである。 SHARPの液晶パネルは四隅の余白が比較的少ないためケースが小型にできそうだが、 バックライトと制御基板を含めた厚みがそこそこあるため、装着されている樹脂製ケースの厚みも「それなり」である。 また、パチンコ台に取り付ける際の位置合わせ用と思われる「突起」が表面に出ているので、 場合によっては削り取る等の処理が必要か。

右の写真は主要構成部品を取り外して並べたもの。 右下が絵柄処理基板で CPUはμPD70008A-8、他に NANAO製の画像コントローラー GA26と、絵柄の格納された ROMなどが載っている。
このパネルのバックライトは、インバーター部分を含めてワンタッチで取り外しができるようになっている (左下)。 実に、樹脂製ケースの一部がバックライト交換用に取り外せるようになっているのは驚きである。 果たしてこの台をバックライト交換時期まで酷使したホールは存在するのだろうか・・・
中央下が映像処理系の基板。 バックライトのインバーターが別なので比較的小さくまとまっている。 この基板と液晶を結んでいるのは例によってフィルム状のケーブルだ。 取り外す場合は破損しないように注意しよう。


■回路について・・・

購入の際付いてきた資料は、ケースの分解手順と端子図が記された「半ビラ」の紙が1枚。 購入後すぐに FM-77AVなるパソコン(古い!)につないで映してみたのはいいが、 入力レベル不足のためか画面のコントラストがやけに甘かった記憶だけが鮮明に残っている。 抵抗で減衰させていそうなことまでは調べて、実はその後何もせずにしまい込んでいたんですナ (^^;;
今回レポート作成にあたり、押し入れの奥から再登場していただきました。

さて、絵柄処理基板を含めて信号経路をざっと調査したのが右の図だ。
画像コントローラーの出力は、2K・3.9K・8.2K・16K・33Kの抵抗により D/A変換され、その結果が出力ピンに出ている。 とりあえず 5Bitのデジタル信号を重み付けによりアナログに変換し、各色階調表現している (それにしても精度低そう・・)。 この出力はそのまま本体基板に入り、91Kと 10Kの抵抗により約 1/10に減衰されて 映像処理用の IC(IR3P89)に入力されている。
同期信号は、画像コントローラーから 220Ωの抵抗を通って出力ピンに出ている。 こちらも同様に 22Kと 10Kの抵抗で分圧された後、簡単な CRによるフィルタ通って映像処理用 ICに伝えられている。
こんな構成をとっているのは、おそらく全体としての回路を簡単にする (バッファアンプを節約する?!)ために、ハイレベルかつハイインピーダンスのまま モニタ部に信号を送り込み、モニタ部で減衰させる手を使っているのだろうか・・・


■付加回路は・・・

まず最初にやることは、B・G・R・SYNCの各ラインにつながっている減衰用の抵抗をジャンパーでパスさせることである。 減衰前後の状態をチェックするためか「テストポイント」が基板上に存在しており、パターンの配置も 「素直」なので作業は簡単な筈だ。 ちなみに R,G,Bはそれぞれ TP5→8, 6→9, 7→10をジャンプ、SYNCは対応するポイントが遠いので TP7の文字をまたぐように抵抗のある裏側を直接ジャンプさせる。 詳細については下の写真をどうぞ。


あとは、入力に 75Ωの抵抗をつなげば大体OKなのだが、ちょっとオーバーゲインの感じがするので 5.6Kの抵抗を R,G,Bの各ラインに挿入して軽くレベルを落としている。
画質は至って「ノーマル」な映り具合だと思う。 好みも多少あるかと思うが、ちょっと輪郭が甘めと思われる方は、 レベル調整用に入れた 5.6Kの抵抗に 50〜100PFの適当なコンデンサをパラってみるのも良いだろう。
ということで、最後にインターフェース部分と本体ジャンパー部分の回路図をどうぞ。
PLAYSTATION接続時、同期信号を 75Ωで終端しても何ら問題は見られなかった。



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