「謎を解け!」モニタをSyncOnGreen生成回路なしで使う |
■ SyncOnGreen生成回路なしで使うには・・・ |
そもそも、なぜ SyncOnGreenなのか というのを少し調べておいた方が良いのだが、そのためには このモニタユニット
が使われていた 前世 も知っておかないと、なかなかそのあたりまで辿り着けないことが多い。 今回も一応
パチンコ液晶 という情報は書かれてはいるのだが、具体的な台のメーカーや機種名が明らかにされている訳ではなく、
やはりそのあたりは 謎モニタ である (^^;
ということで、今回も少しずつではあるが、自分が納得できる範囲内 で色々と調べ、どこかにオイシイところがないか 味見して行きたいと思う。 また、改造が必要 になり、SyncOnGreen生成回路を組み立てるよりも当然 難易度が上がる ので、試そうと考えておられる方は、このページ末尾の注意書きも参照の上 自己責任 で行って欲しい。 |
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■ M51406FP周辺の回路調査・・・ |
それにしても、このモニタユニットの映像処理回路基板は 部品の実装密度が中途半端に高い
印象を受ける。 特に1005サイズなどの超小型チップ部品が使われているということもないのだが、基板裏面にもびっしりと
部品が実装されており、スルーホールの上であろうが全くおかまいなし。 シルク印刷も、部品のスキマをぬって申し訳なさそうに
記されている程度で 判読性はすこぶる悪い というのが実情だ (^^;
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ちなみに上のイメージは、モニタユニット内部の映像処理回路基板。 前頁に貼り付けてあるのと全く同じものだが、これから
改造を施す相手 でもあるので、再度良く確認しておこう。
回路調査に関しては私もある程度一気に読み切りたいのだが、時間は無尽蔵ではないので、とりあえず必要な M51406FP周辺 を攻めて手書きの回路図を起こしてみた。
入力端子 1、3、5Pinから入力された RGB映像信号は、それぞれ 100uFの電解コンで DCカットされた後、NPNトランジスタによる エミッタフォロアでバッファリングされている。 エミッタは直接後段へと接続されているのではなく、270Ωと200Ωの抵抗で分圧、レベル調整された信号が 小容量のコンデンサを介して M51406FPの各 RGB入力端子へと接続されている。 一方、G信号のみエミッタフォロアの出力が抵抗による分圧回路を通らず、無極性の電解コンを介して M51406FPのSYNC IN(24Pin)、LA7217のVIDEO IN(2Pin) へと分岐接続されており、同期信号はここから別経路をたどることになる。 回路を見る限り、分岐した先に二通りの同期処理回路がぶら下がっているように見えるのだが、おそらくメインは LA7217の方で、 M51406FPの方は、クランプ用のタイミング信号として使われているだけではないだろうか。 何れも複合(コンポジット)映像信号から 同期分離する機能を持ち合わせているので、入力する同期信号はロジックレベルのものである必要はなく VIDEO INから取る ことも可能な筈だ。 ということで、この分岐している部分をカットし、同期信号入力用に引き出して試すことにする。 |
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入力端子部と改造箇所のイメージをそれぞれ示しているので、簡単に説明しておこう。
右上上段のイメージは入力端子部だ。 RGB映像信号および電源、バックライト制御信号は前頁オリジナルのものと同じだが、追加の SYNCラインを現在未使用となっている 7Pinから取り出すことにしたので、確認しておこう。 イメージではコネクタが取り外してあるが、特に意味はないので、そのまま裏面から配線を引き出すだけでも良い。 また、 入力端子直下に、元々 SyncOnGreen回路を組んだ基板に載せていた終端抵抗 47Ω×3本を移設している。 これについても RGBコンバータの出力端子や、配線の途中に取り付けるなど、行いやすい方法を選択すればOK。 ちなみに、秋月電子製 RGBコンバータを使用する場合は 抵抗値は 75Ωにするのが正解だ。 実際に SYNCラインを引き出すための改造箇所は、右上下段のイメージだ。 場所がわかりにくい場合は、TP9とTP7を目標にすると探しやすい。 回路図上では パターンカットが 1箇所 と ジャンパーが 1箇所 なのだが、 実際には それぞれ 2箇所 の加工を行わなければならない。 なぜなら、途中にあるスルーホールのウラ側で信号が分岐し、 M51406FPおよび LA7217へと配線されているからである。 回路図と実際のパターンを確認しよう。 |
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■ 実際に動かして詳細を確認する・・・ |
実際に改造を行って動作させてみたところ、すんなり動作してくれたみたいだ。
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RGBコンバータとの中間にあった SyncOnGreen生成回路がなくなったので、随分とスッキリした印象を受ける。
が、実際にしばらく動作させて画面を見ていたところ、ちょっと問題あり・・・ の症状が見受けられた。
あまり大騒ぎするほどではないが、RGBコンバータで使われている M52042内部の同期分離回路および 反転回路の遅延によるもので、同様の回路構成の秋月電子製 RGBコンバータでも発生する。 2つ目の項目は、症状から推測すると クランプ用パルスのタイミングが乱れて信号のある部分でクランプされている 様子が伺える。 |
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早速 VIDEO INおよび SYNC端子の波形を調べてみた。
左上がノーマルな状態、右上が SYNC端子と5V端子間に 390Ωの抵抗を接続した際の波形を表している。 ノーマルな状態では RGBコンバータ内部で 1KΩプルアップの筈なので、結構な容量性負荷が接続されているように見える。 何もしなければ、 立ち上がりが遅れ、中途半端なところで ブランキング期間が終わっている という状態だ (^^; 動作中のイメージにも抵抗が写っているのでお察しは付くと思うが、対策としてはこんなところか・・・
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■ 最後に注意点を少し・・・ | ||||
中には、モニタユニットを買ってすぐ改造しようと考える方がいるかも知れないので、少しばかり注意点を記しておきたいと思う。 パチンコ台中古モニタ活用術の
注意書き と併せて、以下の点にも注意して欲しい。
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2006/08/19 Yutaka Kyotani (公開)
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