パチンコ台中古モニタ活用術パネル単体編
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■ このモニタユニットについて・・・ | ||
私自身が色々と液晶ネタを扱うようになり、そのスジの商品を扱うショップの WebPageなどが、いつの間にかブラウザのブックマークに増えていくということは
ありがちなパターンだと思う。 中でも Aitendo's電子工房は、Watchする“巡回リスト”
に組み入れている。 購入に至らないまでも、色々と取扱商品を眺めることで私の物欲も満たさせていただいているという訳だ。
さて、2006年4月に入って早々、妙な特売品が SHOPのトップページに掲載されていた。 何でも、“「謎を解け!」キャンペーン”・・・ だそうで、
という 太っ腹なコピー が添えてある (^^)
液晶ユニットそのものは 5インチの一般的なものという感じで、手元に似たようなユニットがゴロゴロしている せいもあり、敢えて買って活用方法を考えてみよう ・・・というところまで思わなかったのが正直なところではあるが、 少し前から発売されていた ミニRGBコンバータ と ケーブルアセンブリ (FFC幅25mm/24ピン)に興味があったのだが、なぜか購入する機会がなく延び延びになっており、こりゃちょうどいいチャンスだ! ・・・と いうことで、急遽こちらのセットに変更、購入と相成った次第だ。 ちなみに、2006年4月は初旬から私的に忙しかったため、スタートから1週間ほど出遅れてしまったのだが、私が購入を申し込んだ時点では まだ動作報告の類は出ていなかったので、急がなくても良いかなという認識だ。 先に結果を書いてしまうと、無事に1番手を取ることができ、賞金 10,000円もいただくことができた。 2006/05/17、最後の動作報告で キャンペーンも終了したようなので、ここに軽くネタを集めて記しておきたいと思う次第だ。 |
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■ 届いた商品を早速調査しよう・・・ |
それでは早速届いた商品を分解し、各部のイメージをご覧いただくことにしよう。
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左上のイメージが、「謎を解け!」特別三点セット 構成パーツ一式だ。
まずはご本尊の液晶ユニット、ミニRGBコンバータ、それに 1mmピッチ 24Pinのフィルムケーブルを接続するための ケーブルアセンブリの三点セットとなっている。 液晶パネルは Toshiba Matsushita Display Technologyの TFD50W70が使われており、そのパネルウラ側に 映像処理回路らしき基板 がネジ止め、パネルから 24Pinフィルムケーブルで 接続されている。 実は、届いてすぐろくに写真も撮らずに分解してしまったので、完全なカタチの外形写真はなかったりするのだが、 裏ブタは ダイカスト製 である。 右上のイメージをご覧いただくと、裏ブタ直下に 別の基板が取り付けられ、大きな端子が二ヶ所から顔を出す様子がわかる。 パネル後面の基板とこの端子部の基板は、別のフィルムケーブル (1.27mmピッチ 17Pin)で接続されている。 |
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それぞれの基板を取り出して並べてみたのが、上のイメージ合計 4枚だ。
映像処理回路基板には結構特徴的な部品が載っており、うまく調べることができれば、回路をたどる手がかりを 得ることができる。 基板の右半分は、電源関係とバックライトインバータと思われる。 NECの uPC494GSが 2個使われており、 トランス、コイル、大容量の電解コンが並んでいる。 おそらく uPC494GSは、バックライトの明るさ制御と電源の安定化用だと 推測される。 左側半分は映像関係の回路と思われる・・・ が、現時点でいちばんピン数の多い M51406FPの素性がイマイチはっきりしない。 一般的に、 5インチ前後の液晶は TFT専用アナログRGB信号 を要求するものが多く、M51406FPが映像処理全般を担っていると 踏んだのだが、データシートが入手できないので、とりあえず そうであると仮定 して他を当たる。 次は LA7217と真横に鎮座しているセラロックである。 セラロックには B500 という文字がプリントしてあり、 もし 500KHz近辺なら、水平同期周波数の 32fH VCO を構成している可能性が大である。 ・・・ということで 型番をキーに検索してみたところ、こちらはバッチリデータシートにありつけた。 何と、私が好んで使っている同期分離 IC、NJM2257と そっくりの構成を持っている (^^) ※その後、某所で無事にM51406FPの英語版データシートを入手することができ、とりあえずは一安心というところだ。 また、 BBSに書き込まれた情報によると、JRCのページに掲載されているクロスリファレンスリストに M51406→NJW1300という記述も見受けられるようだ。 実際には ピン数も違っているので、両者は完全互換ではないのだが・・・ 以上、ざっと駆け足で 映像処理回路と思われる基板 を調べたところで約2時間。 翌日は仕事なので、 とりあえずここらあたりで一旦区切りをつけておく。 この時点では、多分この大きな基板だけ活かせばOKだろう という感触だ。 次の休日、端子部についている基板を続けて調べてみた。 こちらは大型のコネクタの他、フィルタ用と思われるコイルやコンデンサが大量にくっ付いている。 その一角には uPC824G・・・ 一応通信工業用の OP-AMPではあるが、あんまり帯域が広くない汎用の OP-AMPを何に使っているんだろうか・・・ あと、端子部 I/F回路基板の裏面イメージを見るとすでにDCジャックが配線してあるので、もう気付いておられる方もあると思うが、 ヒューズや大きめの電解コンなど、電源入力を予測できるパーツも実装されている。 ひとまず軽く導通テストなどを行っておくことにする。 |
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■ 実際に動かして詳細を確認する・・・ |
ということで、端子部I/F基板にある電源入力らしき端子に電圧をかけ、様子を見ていこう。
このテの試行錯誤をする場合、本当は低めの電圧から徐々に 妥当と思われる、自分が目星を付けた電圧まで 上げていくべきなのだが、私の場合、過電流保護が入っている 前提で、スイッチングタイプの ACアダプタの 5V、9V、12Vのものをつなぎ替え、テスターで電流を確認しながら電圧を上げるようにしている。 これ以外にも、整流用ダイオードを何本か直列にして電圧を下げたり、過電流保護のために 12V 6W〜10W程度の電球を直列にして 電源を接続することも有効だ。 ここで、最終的に 12Vの電源を接続して電流値にも異常はないことを確認し、ロジック回路電源に 5V近辺の電圧が供給されていることが 確認できた。 また、OP-AMP uPC824Gには +5Vおよび -7.6Vもこの時点で供給されている。 バックライトは光っていないが、おそらく 制御用の端子があって ONになっていないだけだろう。 仮に uPC494GSの出力点に +12Vを注入、光ることを確認しておいた。 ここまで確認したところで、本体の映像処理回路基板と端子部I/F回路基板をつないでいるフィルムケーブル(17Pin 1.27mmピッチ)を基準に、 両方のパターンを軽く調べて整理しておくことにする。 本体側で GNDに落ちているのが 2、4、6、10Pin、それに、14、15Pinはパターンこそ別々だが I/F側でひとまとめに GNDにつないである。 16、17Pinも 本体側で別々のパターンだが I/F側でまとめて電源端子へとつながっている。 その他、uPC824Gの出力端子につながっているのが 1、3、5Pin、±電源端子につながっているのが 9、11Pin。 あと、13Pinは本体側で パターンが電源回路の方に伸びており、どうやらバックライトの制御用と思われる。 ま、ここまでわかれば半分位は解決したような雰囲気か。 uPC824Gはやはり映像用のAMPとして使われていたのかな (^^; 次のステップは、本体側映像処理回路基板のみを単独接続して動作させてみる。 17Pinの 1.27mmピッチフィルムケーブルおよびコネクタが入手できれば良いのだが、ひとまず基板裏側の端子に直接リード線をハンダ付けし、 動作確認して行こう。 まず14、15Pinをまとめて電源−側、16、17Pinをまとめて+側に接続する。 そして、1、3、5、7、8、13Pinおよび、 2、4... など GNDにつながっている何れかからリード線を引き出しておき、電源を入れよう。 最初に 11Pinに適当な電圧を加え、バックライトが点灯するか確認する。 テスターで無接続状態の電圧を当たったところ 0Vだったので、 可変抵抗を通して 5Vに接続し、徐々に抵抗値を小さくしてみる・・・ と、予測通り抵抗最小で最高輝度である。 抵抗を大きくすると ある程度の変化は持たせられるが、やや調整がクリティカルな印象を受ける。 バックライトが点灯すれば、次は信号入力を調査。 手っ取り早く、リード線の先を指でつまんでやろう (^^; オーディオ機器やラジオのチェックでもよくやる手段だが、インピーダンスが高ければノイズが再生されるので、それなりに有効な手段だ。 ちなみに 映像回路では、75Ω終端されたラインを指でつまんでも何も起こらない。 今回は、1Pinをつまむと赤、3Pinは緑、5Pinは青色のノイズが再生されたので これで映像入力確定である。 別途適当な映像機器から、コンポジット映像信号を持ってきてダイレクトに接続、最終確認したところ、1Pinでは赤色映像同期取れず、3Pinは緑色映像同期OK、 5Pinは青色映像同期取れず・・・ という結果だった。 3つまとめて接続すれば、白色単色の映像がきちんと表示されている。 レベルオーバー気味で 白潰れが見られるが、75Ωの抵抗で終端してやればきちんとした状態になった。 個人的に 7、8Pinのどちらかが SYNC入力と踏んでいたのだが、どうも違ったようだ。 同期信号を緑映像信号に重畳して入力する SyncOnGreen という珍しいパターンである。 7、8、12Pinについては、何れ機会があればもう少し追いかけることにし、 とりあえず、SyncOnGreen生成回路の製作を急ぐことにする。 これ以外に調べた点を少し記しておきたいと思う。 本体側映像処理回路基板を見ると、バックライトインバータ付近に 2mmピッチ 6Pinコネクタがあり、端子部I/F基板へと接続されている。 今回は この配線は外して全く使わなかったのだが、ここにはバックライト関係の 安全装置 が集められているのだ。 冷陰極管への コネクタが外されたことを検知するダミーリード、ケース温度の過熱を検知する温度ヒューズ、さらにもうひとつセンサーからの配線も接続されている。 使用環境によっては、もう少し調べてそれなりに処理してやる必要があるのかも知れない。 とりあえず今回は未対策なので、頭の片隅に置いておくことにする。 |
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■ SyncOnGreen生成回路を追加する・・・ |
ということで、SyncOnGreen生成回路を製作しよう。
このテの回路は色々な方法があり、ちょっと考えただけでも5つや6つ出てきそうな位だが、インピーダンスが低い場所なので 制約もそれなりに多い。 例えば、同期信号を混合する際、ロジック回路の 吸い込み可能な電流 も考えておかないと、十分にドライブできなくなったりすることがある。 実は、私も最初はバッファを入れたSYNCと、終端抵抗代わりの混合抵抗でMixするだけの回路で試してみたのだが、画面の表示内容が変わると 同期が乱れる場合が良くあり、RGBコンバータの出力波形を確認すると、SYNCが元々あった場所付近にヒゲが出ている というオチだった。 結局、少しいぢくってできたのが下の回路図に記している内容だ。 ダイオード2本で約1.4Vのバイアスをかけ、SYNCが入ると PNPトランジスタで約0.8V (VBE+SYNCの飽和電圧) にクランピングしてやろうという算段だ。 |
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この回路も、実は表示内容によって DCレベルが変わるものにそのまま同期信号を足していることに違いはなく、一応クランプ回路みたいなカタチにはなっているが
効果は不十分なようだ (^^;
信号をオシロで見ていると、やはりDCレベルはふらついている・・・ 先ほどの「ヒゲ」に加えて、何かブランキング期間の信号レベルがちょっと変なような・・・ ま、まじめな回路は部品点数もそれなりに多くなるので、とりあえずはこの回路で様子を見てみましょう! |
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製作イメージはこんな感じ。
ミニRGBコンバータの出力インピーダンスは、なぜか75Ωではなく 33Ω となっている (^^; なので、本来なら75Ωの終端抵抗 をGNDとの間に入れるところを 47Ωと低めのセッティング にしてみた。 終端抵抗を33Ωにしなかったのは、 ビデオ入力端子にも低い抵抗が入れてある ため、33Ωだとレベルが低くなりすぎる からである。 ということで、基板には 47Ωの終端抵抗が3本、そのうちの緑系統のリターン側を細工して SyncOnGreen生成回路にしている。 追加部品も 何とか納得していただけるギリギリのレベルではないだろうか。 あと、部品と回路について少し補足しておくと、ダイオード 1S1588(東芝)は廃品種なので、入手できない場合は 1S2076A(日立)や 1SS133(ROHM)など同等品で代用しても OKだ。 ダイオードや電解コンデンサにパラってある 0.1uFは、高周波のインピーダンスを下げる意味があるが、必須というものではない。 写真に写っていないように 見えてしまっているが、今回は 1608サイズのチップコンデンサを裏面に取り付けている。 気になる方は、拡大画面で裏面を確認いただきたい。 |
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■ 一応完成・・・ |
とりあえずバラックだが、一応完成ということで・・・
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取り急ぎ、結果が出た状態からまとめ直してみると、結構色々な発見に気付くこともあるというのが正直なところである。 当初
発見できなかった M51406FPのデータシートも発見することができ、「ひょっとしたらもう少し遊べるかも」
ということも感じている次第だ。
ひとまずこの状態で完結とさせていただくが、新たな発見があれば、また追記を行うことも考えている。 |
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* ぷ ら す あ る ふ ぁ * | |
車載用として使う | |
RGBコンバータを内蔵、バックライト明るさ調整などを追加して車載対応化 | (2008/11/09) |
SyncOnGreen生成回路なしで使う | |
映像処理基板を改造、同期信号を別系統で注入できるようにする | (2006/08/19) |
2006/05/21 Yutaka Kyotani (暫定公開)
2006/05/28 Yutaka Kyotani (SyncOnGreen生成回路の製作を追記) 2006/06/18 Yutaka Kyotani (調査過程を追記・正式公開) 2006/08/19 Yutaka Kyotani (「SyncOnGreen生成回路なしで使う」追記) 2008/11/09 Yutaka Kyotani (「車載用として使う」追記) | ||||||
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