ジャンク液晶モニタ復活事例 VL-15DX8編 〜 DVI端子付きモニタへの改造 (Page 1 / 3)

 DVI端子付きモニタとして使用できるようにする


■ 信号処理基板を調べてみる・・・


分解して各部の構成がある程度判るようになれば、信号処理を行っている部分を精査し 信号線の特定 を行っていきたいと思う。
早速信号処理基板を調べ、不明な部分を潰して行こう。
ということで、今回調査対象となる信号処理基板はこちら・・・


▲ 信号処理基板部品面[拡大写真]
▲ 信号処理基板ハンダ面[拡大写真]


前頁の 分解 のところでも軽く解説させていただいたのだが、この基板の部品面は、実装密度が 高い部類に入るのではないだろうか。 しかしその一方で、ハンダ面には部品は実装されておらず、基板をシールドケースを含めてシャーシーに実装する際も、 比較的簡単な構造でまとめられている。

まず最初に調査するべき部分は 入力信号を供給するコネクタ からだろう。
このモニタに使用されている信号ケーブルには 両端とも同じ形状のコネクタ が使用されており、即ち この信号処理基板に実装されているコネクタと同じものが セットになるPCにも使われている ということになる。 ピン数は 14ピン×2列+両端に太いピン(♀)×2=30ピンとなる。
このコネクタ直下に伸びているパターンを追いかけると、保護用と思われるダイオードなどを経て、TIのTMDSレシーバー TFP101PZPへと接続されている。 ちなみに、TIのチップはきちんとデータシートも Web上で公開されているので、 信号線の特定は楽勝パターンだ。

DVI(TMDS)のモニタには DDC通信を行うためのシリアルROMが必要 なのだが、どうもこの信号処理基板には それらしい部品が見あたらない のだ。 数本のパターンが集積度の低そうなチップを経由して 富士通ロゴのプリントされたチップに伸びているので、ひょっとしたら DDCデータはこの富士通チップ内で処理されているのかも知れない。 とりあえずは、 それらしそうなピンだけマークしておき、詳細は後から調べることにする。

続いては、電源とオーディオ関係かな。
電源関係は細かく調べなくても楽勝だろう。 太いピンの GNDに落ちている方が判れば、他方の接続先を軽く確認する程度で OKだ。
オーディオ用としては 2つのチップが使われており、パワーアンプIC AN7512SHの他に、汎用OP-AMP NJM4565が前段に配置されている。 コネクタからの パターンを追いかけてみると、4本のパターンが CRを通してこのOP-AMPにつながっており、入力が 差動回路 で受けられていることが判明した。 GNDラインが電源や映像信号と共通になるため、オーディオ用の GND基準レベルを PC側に持って行くための グラウンド・アイソレーター を構成していると思われる。 さて、効果のほどは如何に・・・

ということで、現時点で判明している信号線を拾い出して、図中に振ってみた。 まだまだスカスカの状態 (^^; DDC関係はもう少し調べないとね。
と、ここまで作業完了したところで、ピンときてさらにひと調べ。 いや、このケーブルの反対側も同じピン配なのかな? ってね・・・
結果、やっぱり違ってました (^^; 途中まで調べて、F15T51のものとクリソツであることにさらに気付く・・・と。

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■ 資料はこちら・・・


この項目で掲載させていただく資料はこちら。
VL-15DX8の基板側、ケーブル先端での信号線配置。 それに、比較のための参照用として F15T51の調査結果も掲載しておきたいと思う。
尚、F15T51の図では、コネクタのピン配をケーブル基準で考えていたので Pin1〜14、Pin15〜28、P1〜2 がそれぞれ 方向逆転 した状態で掲載されている。 各自補正の上で参照いただきたい。

2008/04/06 Yutaka Kyotani

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