とりあえずは実験実験〜っ!

まず最初に、こんなことを考えてみた。 リモコンのすぐ前に「フォトダイオード」を置き、出てきた信号をアナログアンプで増幅〜波形整形回路に通して 赤外線LEDをドライブする・・・ という算段で実験回路を組んでみた。
結果的には期待はずれだったので詳しい話は省略するが、感度が悪い上に外来ノイズの影響を受けやすく、 印象としては「回路が複雑な割に実用にはならんなぁ・・・」という感じだった。

一般的には、赤外線リモコンの受信は「専用の受信モジュール」で行われているようである。
新品の規格品としてよりも放出品としてジャンク屋さんの店頭に並ぶことの方が多い部品のようで、なかなか 型番を指定して購入することは難しそうであるが、今回何個か手に入れたモノはどれも5Vの電源を供給するだけで TTLレベルの出力を返してくれるようになっていた。 規格の違いはそんなに気にする必要はなさそうだ。


今回は、SONYの SBX-1810と、メーカー不詳の 34F923という二種類を試してみた。
SBX-1810は秋月のキットに入っていたもの、34F923は1999年春頃日本橋の「デジット」で購入したものである。  実は少し前(3/31)にまだあるかどうか気になったので見に行ったのだが、ちゃんとショーケースの中にあったので ご安心を。 ちなみに、価格の方は200円ナリ〜
余談になるが、規格の不明な受信モジュールを使用する場合、5Vの電源を仮に加えてみて出力ピンの様子を オシロスコープ等で観測してみよう。 目的のリモコン送信機でちゃんと反応するか、無信号時にノイズで 出力がバタつかないか等を確認しておいた方が良い。 オシロがない場合は、数KΩの抵抗とLEDを直列にして 出力端子と5Vの間につないでも確認できる。

実験中にふと考えた。 ひょっとして、このLEDを赤外線LEDに取り替えたらそのままOK??  で、実際やってみようとしたのだが、オシロに表示された波形をみて思いとどまった。
ちゃんと受信モジュールの中でキャリアが検波されて、生データが出力されているのだから、どう考えても 動くはずないっすよねぇ (^^;;


例によって、回路のご説明〜っ

リモコン受信部

受信部の構成は至ってシンプルである。 制御部との接続は同軸ケーブルだけとする関係上、電源、制御信号、 本来のRF信号は重畳して電送する。 そのため、制御部からの信号コネクタ(F型コネクタ使用)直近に チョークコイルとコンデンサを接続し、まずRF信号とその他を分離する。
一方、電源はダイオードと電解コンデンサ、制御信号はドライブ用トランジスタからの抵抗で分離している。 受信モジュールとドライブ用トランジスタの間はAC結合となっているが、ここを直結にしてしまうと、 制御信号がLレベルから復帰できなくなる(電源供給が止まってしまうため)ので注意しよう。

制御部

受信部同様、信号コネクタ(F型コネクタ使用)直近にチョークコイルとコンデンサを接続し、 RF信号とその他を分離している。 こちらは電源を供給する側でもあるので、単三電池4本による電源から抵抗を通してここに給電している。 ロジックICへの電源としては電圧が少々高めのため、ダイオード2本を通してドロップさせて供給する。 制御信号も同様にダイオード2本でレベル調整した後、74HC14のシュミットトリガーで受ける。
最初の項目でもチラッと説明したが、最終的にリモコンの信号を飛ばすためには約38KHzのキャリアが必要だ。 そのため、ここでは460KHzのセラロックと74HC14を使って発振したあと、74HC161で12分周して 38KHzを生成している。 両者はダイオードによるゲートで混合され、バッファとドライバーを経由して赤外線LEDを ドライブする。 なお、通常のLEDによるパイロットランプにも信号の一部をお裾分けしてやり、動作確認用の インジケーターとして利用している。

・リモコン受信部

・制御部

部品について

高周波を扱う機器であるため、ケースは金属製のものを使用する。 コネクタはF型、外部に出るケーブルは 必ず同軸ケーブルを使用し、シールドを完璧にしよう。

ロジックICは、シュミットトリガーが必要だった関係上74HC14を発振回路にまで使っている。 ここは本来4069UBや74HCU04を使うべきなのだが、強引に74HC14を使った結果少々異常発振気味で、 セラロックに直列抵抗を挟んでごまかしている。
分周用の74HC161は手持ちの関係で使用したのだが、12分周として使用するため、キャリーとロード端子を使って 変な回路になってしまっている。 ここは素直に74HC92を使うべきでしょう (^^;;
リモコン受信モジュールについては先ほども説明したが、手に入ったものがきちんと使えるか、 面倒でも事前に実験、確認しておくことをお勧めする。
あと、他の製作記事でも度々登場する2SA695であるが、廃品種に指定されているようなので、PNPの 小信号〜小出力タイプで代用して欲しい。
460KHzのセラロック、LEDドライブ用の2SD1458、赤外線LEDは中古のリモコン送信機から 取り外したものを使用している。 2SD1458はとてもhfeが高いトランジスタなので、C−MOSの ICからでも安心してドライブができる。 何れも新規に入手しようとしても同じものは手に入らないと思うので、 中古機器の分解というのも賢い選択ではないかと・・・


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