スキャンコンバータ 動作確認と調整 (Page 2 / 2)

4.最後に・・・

本組みが終わって動作が確認できたら、最後にもう一度 TP1の電圧を VCC/2に調整しておこう。 TP2との電位差が ゼロになるように調整すると楽に調整できるはずだ。 あとは画像調整VRを中央付近に合わせて信号を入力し、入力レベルや 水平、垂直位置などをお好みによって微調整すれば完成だ。

ここで、調整の注意点を少し記しておくと・・・
・垂直位置は遅れ方向にのみ調整可能。 回し過ぎると同期がかからなくなる。
・水平位置2は構造上途中に画面が揺れる 不安定ポイント が存在する。
・垂直同期は抵抗が大きくなる方向への調整余裕は大きめだが、極端な値だと無信号時に垂直走査周波数が低 くなりすぎて液晶の走査が止まる可能性がある。
あと、画像調整VRは A/D変換の基準電圧を動かす関係であまり大幅に調整できるようにはしていないが、これを 途中経路の抵抗を小さくするなどして 調整範囲を大きくすることは好ましくない ので注意して欲しい。 μPC659Aなど、基準電圧の分圧回路を内蔵しているものを外から大きくいじりすぎると、 場合によっては ICにダメージを与える可能性もありますヨ (^^;;

最後に2点ほど補足説明をどうぞ (^^)

■ RGB=565 (6万5千色)、RGB=666 (26万色) の違い
普通にゲームをしている限りでは 全く違いを意識することはない という感触だが、DVDソフト再生時では 背景に空や海、雪景色、宇宙など ゆるやかなグラデーション が出てくると 違いが目立つ傾向があるようだ。
身近な例として、PS2のメモリカード画面をそれぞれ並べてみたので参考にしていただければ幸いだ。
ま、結局のところ 26万色でも階調の境界がわからなくなる訳ではないので、このあたりは ラインメモリの値段と配線の手間を、画質と天秤にかけて考えてみて欲しい。

RGB=565 (6万5千色)
RGB=666 (26万色)

■ 新型 PS2について・・・
私が使っている PS2は 初代後期型の SCPH-15000で、ブラウザソフトの格納されたメモリーカードを挿さないと DVDを見ることができないタイプだ。 最近発売された SCPH-18000および SCPH-30000は ブラウザソフトが本体に内蔵されるなど改良されて使い勝手が良くなっているようだ。
しかし改良の裏で削除された機能が存在しているのだ。 不法コピー対策だろうか、何と DVD再生時に RGB出力できなくされている という事実である。 実は私が PS2を購入直後に SCPH-18000が発表されて悔しい思いをしたのだが、 今になって考えればラッキーだったのかも知れない。

ということで、新型 PS2をお持ちの方には申し訳ないが、上記のような制限事項があることをあらかじめご了解いただきたい。

2001/04/24 Yutaka Kyotani

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