とりあえず XRGB-1と液晶をつないでみよう (Page 1 / 2)

■ とりあえず XRGB-1と液晶をつないでみよう・・・

入手した XRGB-1をとりあえず裸にして、液晶パネルが接続可能な信号が取り出せるか調査してみよう。


1.XRGB-1を裸に剥いて少し調査してみよう・・・

分解は解析の第一歩である(笑) ・・・ということで、動作確認の終わった XRGB-1を裸にして基板全体を観察してみよう。
いきなり巨大な画像で恐縮だが、まずは基板全体をスキャンしたイメージをご覧いただこう。
この中で、スキャンコンバータの機能に大きく関わってくるであろう主要パーツを探し出し、機能やスペック等にも少し触れながらコメントしてみたいと思う。


まずは主要パーツについて・・・
1〜3. CXD1172AM
SONY製 6Bit 2ステップ型 A/Dコンバータ 20Msps
4〜6. μPD42101G-3
NEC製 910Word×8Bit ラインメモリ
7. μPC666GS
NEC製 6Bit 3チャネル D/Aコンバータ 35Msps
8. 74HC4046AD
PHILIPS製 汎用アナログ PLL
9. PAL20V8H-15JC
汎用 PLD

比較的汎用的な部品中心で作られているようで、一安心というのが正直な感想だったりする (^^)
実は (9)はプログラマブルロジックなので、何が入っているかは作成者のみしか知る由はないのだが、 今回は向かって左側に伸びているパターンの先に 74HC163が 3個繋がっていることや、右側に伸びるパターンが ラインメモリに繋がっていることなどから、目的は PLLの発振出力を分周するカウンタの分周比設定と、ラインメモリ制御用のロジック信号生成 とみてほぼ間違いないだろう。

さて、この XRGB-1全体の基準となるクロックを発振しているのは (8)の 74HC4046だが、オシロで波形を確認したところ 約28MHz強という結果だった。 私の経験からすると 74HC4046の能力いっぱいという雰囲気だが、何と発振回路の タイミングコンデンサがトリマーになっている (笑)。 こんな方法もあるんだなぁ・・ と、妙に感心した一瞬だった。
この後に接続されているのは前述の 74HC163×3とPLDだ。 クロックの周波数とラインメモリの容量から考えて、 ÷910、÷1820の分周回路を構成していると思われる。

続いて映像信号の経路だが、実は使用している ICと基板のプリントパターンを見ただけで何となく予想が付いてしまっているんですナ (笑)
A/Dコンバータ CXD1172AM×3〜 ラインメモリμPD42101G×3、そして D/AコンバータμPC666GSに至るラインが直線的で実に美しい・・・
まずは CXD1172AMにより、14.31818MHzのクロックで A/D変換された後ラインメモリ μPD42101Gへ。 ラインメモリは 8Bit分あるのだが、A/Dコンバータの分解能が 6Bitなので、ここでは入力の下位 2Bit分は GNDに落とされている。  最終的に、このμPD42101Gの出力上位 6Bit分が 28.63636MHzのクロックで 2回読み出されて μPC666GSで D/A変換、完了! ・・となる筈だ。

確認のため μPD42101G回りの波形をオシロスコープで調べたところ、まさに予想的中という感じで、ここから液晶パネルの駆動に必要な Digital RGB 6Bitの映像信号とクロックが取り出せることが確認できた。 ちなみにクロックは液晶の要求する周波数より高いのだが、 最初にこの液晶を評価したときの予備実験環境と同じ周波数なので、特に問題は生じないと信じることにしよう。
色の割り当ての方だが、背面にある調整用の VRを色々といぢりながら確認した結果、(4)が青、(5)が赤、(6)が緑用として 使用されていることが判明した。
最後に CRTコネクタの根本と、PC映像スルー切り替えを兼ねた電源スイッチ付近から、倍速の H-SYNCと V-SYNCが取り出せることを確認してまずは一区切り (^^)


2.液晶とインターフェースするための回路を準備・・・

調査中にも感じていたのだが、私が最初に「CRかましの金ちゃん」の VGA液晶評価用として、確認のため接続しようとしていた 自作スキャンコンバータと、信号のタイミングは殆ど同じという雰囲気だ。 そこで、この評価実験の際に製作したデータラッチと クロック用バッファの載った基板を掘り起こしてきて、とりあえず繋いでみることにした。

■ラインメモリからの信号引出し
■同期信号引出し

ここで紹介する追加回路は 74HC273を使ったデータラッチと、74AC04を使ったクロックバッファが載っただけのものなので、 特に説明はいらないだろう。 同期信号の入力にノイズを避けるための CRが入っていたり、実は液晶に供給するクロックの ラッチ論理が逆だったりと、まぁ色々あるのだが、とりあえずは適当にご覧いただければと (^^;;

あと、信号の引き出しポイントを載せておいたので、ご参考に。 ラインメモリは 3本並んだ左側が青用で、 クロックはこの ICから取り出すと良いだろう。 したがって、中央の赤用(R0〜R5)、右側の緑用(G0〜G5) は信号のみの引き出しとなる。
上下の写真で随分と縮尺が違うが、まぁご愛敬ということで。


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