TVチューナーの追加とノイズ対策(Page 2 / 2)

3.チューナーユニットの実装方法を検討しよう・・・

当初、この TVチューナーを液晶ユニットに装着する方法を色々考えていたのだが、結果的には 液晶ユニットの右側にケースごと貼り付ける しかなさそうな感じだった。 SHARP謹製の ケースごと貼り付けるとすれば、アルミのアングルでも作ってネジ止めするつもりでいたのだが、例のノイズのせいで 計画変更の必要に迫られることとなってしまった(苦笑)。
ノイズ軽減のためにシールド効果を考えると、結局のところケースは全面金属製にしなければならず、何だかんだと考えると アルミ板でお弁当箱型の細長いケースを作って液晶ユニットの右側に・・・ とするのがいちばん自然なように思う。


ということで作ってみたのがこんなケースだ (^^;
このページの最後に拡大画面を別窓リンクしておくので、ご興味のある方はどうぞ。 とりあえずはフタを開けた状態でご紹介。

さらっと説明しておくと、まず向かって左側に付いている基板。 ここにバッファアンプとノイズフィルタを搭載している。 左下隅に 10Pinの MILコネクタを装着して信号引き出し用とし、そのすぐ後ろにノイズフィルタがぶら下がるようにしている。 コネクタのそばに ネジ止め箇所が確認できると思うが、ここから GNDをケースに逃がして、ノイズをここで食い止めるように配慮している。 ちなみに、この基板も 表裏を逆に使い、銅箔面に部品を取り付けて実装を簡単にしている。
あと、元々の操作スイッチが基板側に取り付けられていたのを思い出して欲しい。 ここでケースの正面に顔を出すのは写真の 向かって上側だが、元々付いているスイッチがこのままでは押せなくなるため、サブ基板に少し大きめのタクトスイッチを取り付け、配線を延長して そのままケース前面に穴を開けて顔を出させている。 中央やや左寄りに見えるアルミ板がサブ基板の支持を兼ねた シールド用の仕切だ。 ちなみに、支持金具はケース上側(向かって右端)にも取り付けてある。
最後にアンテナコネクタ。 当然の如く F型コネクタとし、太めのリード線で基板上のアンテナ端子と結線だ。


4.ノイズ防止用追加回路について・・・

元々のチューナーユニットは、ケースから直にオーディオ・ビデオ・電源のケーブルが出ている状態だったので、本来ならそのまま モニタの入力端子につないでも、ドライブ能力や信号レベルは全く問題ないはずである。 今回、ノイズ対策ということで、ケーブルから チューナーユニットに逆流するノイズを少しでも減らそうと、ノイズフィルタを入れる実験を色々行ってみた。 しかし、映像信号については インピーダンスが 75Ωと低いこともあり、ロスを出さずにノイズの逆流だけを防ぐことはなかなか難しいという感触だ。

結局、行き着くところは バッファアンプ搭載による分離 ということで、映像・音声ともに トランジスタ 1石による簡単なバッファを入れてやり、入力部分には CRによるフィルタを、出力部分にはフェライトビーズとコンデンサが複合された 専用のノイズ対策部品を挿入することにした。 また、電源入力部分には、正負両側とも 80μHのインダクタを挿入している。


ちなみに、今回使用したノイズ対策部品とインダクタを右上の写真に記しておくのでご参考に。 3端子の方が フェライトビーズとコンデンサの複合されたノイズ対策部品だ。 複合されているコンデンサの値は 150PFとのことで、映像に与える影響は とりあえず無視できるレベルではないかと思われる。
また、電源入力部分に使用しているインダクタは、巻線の抵抗分が少ないものを使用しないと正常動作は望めない。 値は適当でも良いので、必ず許容電流が 200mA以上あるか確認し、かつ巻線が太いものを選んで欲しい。

■ 資料はこちら
チューナーユニット拡大イメージ
2002/05/22 Yutaka Kyotani
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あとがきと完成写真