STEP-6 ケースと機構部品の選定

とりあえず、レポート用紙に基板の外形枠をトレースし、それを片手に日本橋を物色してみた。
最初は一般にモールドケースと呼ばれている、ちょっとがっちりしたタイプで適当な大きさのものがないかどうか探してみた。  実はこれがなかなか芳しくない (^^;; 基板の幅があと数mm狭ければ選択肢が広がるのだが・・・  ということで、方向転換して次はクリアータイプのプラケース。 これもちょうど良い大きさのものはほとんどなかったのだが、 とりあえずサイズが合いそうなのが見つかったのでゲットしておく。 KP-61という薄いブルーのケースで、外形寸法は 90x73x34mm、厚みがかなり余分なのと、ちょっと安っぽい感じが拭えないのだが、とりあえずは第一候補かな。  ちなみに、日本橋のニノミヤパーツ店で 150円也。  以前に共立でも見かけた記憶があるが、今回見に行った時には発見できなかった。

続いての検討課題は「操作ボタン」(^^;;
これもキットに入っているスイッチを最初に見たときからわかっていたことだが、 ケースに入れてしまうとそのままではどう頑張っても押せない(泣)。
メーカー製のセットの場合はどうなっているかというと、大抵樹脂製のボタン部分をパネルの裏からはめ込むような構造になっている。  ボタン部分から出ているウデ(バネを兼ねるため途中が細くなっている)の先を、 そのままパネルに熱で溶着してしまえば一丁上がりだ。  お手元のマウスのボタンを見ていただくと、多分そうなっているはずである。

アマチュアの場合は樹脂の整形はかえって大変なので、簡単に実装できそうなボタン代わりになるものはないか・・・ と 基板とにらめっこすること数十分(ちょっとオーバー)。 基板をケースに実装する際、 浮かせるために使う「スペーサー」がちょうど良さそうなので、これに決定とする。

今回使ったスペーサーは真鍮製の長さ 6mmのもので、ちょうど 3mmの皿ネジがフィットするように穴の片方がサラ加工(?) してある。 スイッチの実装間隔は 7.62mmのため、これにワッシャーを挟んで調節する。  モールド型のパワートランジスタを放熱器に取り付けるための絶縁ワッシャーがぴったりのようだ。  このテのワッシャーにはネジ穴とネジを絶縁するための突起が出ているのだが、 スペーサーのサラ加工された部分に突起を重ねると、これもまたぴったり隠れてくれた。  脱落防止用に直径 2mm程度の適当なピン(針金や VVFケーブルの心線で代用可)も必要だ。

電池フォルダは基板の上に実装することになるが、すでに部品が装着されている上に取り付けるため、 そのまま貼りつけて終わりといういうわけにはいかない。 基板の右側(スイッチのない方)に 2mmのネジ穴が 4つあるので、このうちの 2つを使ってネジ止めすることにした。  取り付け時の安定性確保のため、ネジ穴周辺の部品のない場所にうまくフィットするよう 2mm厚程度のアクリル板を適当に切って用意しておこう。
ちなみに右の写真、電池フォルダにはすでにアクリル板を接着剤で仮止め済み (ネジは電池フォルダ側から挿入してある)。

あと一つ、ヘッドフォンジャックは単独で取り付けても良いのだが、今回は LEDの取り付け位置確保のため ユニバーサル基板の切れ端を使ってみた。 この基板に LEDもあわせて実装し、GND側の配線は共用させる。  右側の写真では黄色い線が LEDのアノード(+側)、元々の LED取り付け場所はスイッチの右側後ろだったので少し長めにしてある。


STEP-7 ケースの加工などなど

さて、いよいよケースの加工だ。 気合いを入れてやってみよう。
このテのプラケースは材質が材質だけに、結構割れやすい (^^;; 一般的には細いドリル (1.8φ〜2φ)で連続して穴をあけ、カッターナイフやニッパーでつないだ後をヤスリで整形するのが比較的安全だ。

左に基本的な加工図と、追加で使用する部品のリストを載せておいた。  この他に、できればプラモデル用の接着剤も用意しておこう。
ここに記してある寸法のうち、特に操作ボタン用の穴は、現物合わせで調整が必要かも知れない。  基板の裏が直接ケースに当たらないよう、部品のない場所の何ヶ所かに 1mm厚のアクリル板を挟むようにしているが、 裏面の部品 Etc.の状況によってはもう少し浮かせないと当たる場合があるので、この辺りは必要に応じて調整して欲しい。

操作ボタンの穴は実線と点線の2つで記してあるが、ケース外側が実線で内側は点線だ。 つまり、 外側が狭くて内側が広い傾斜の付いた穴をあけることになる。 実際には内側の寸法は厳密でなくてもよく、 外側の寸法できちんと穴をあけた後、平ヤスリを外側から斜めに突っ込んでエッジを落とす程度に削ればOK。  ケースの内側からスペーサーをあてがうと外側のエッジで引っかかって固定される状態なら正解だ。  ちなみに横から見ると右の写真のようになる。 基板をセットするとスイッチで後ろから押さえられるため、 脱落する心配もなくなる。


STEP-8 基板とその他部品の実装

結構な手順があって文章で説明すると回りくどくなってしまいそうなので、箇条書きにさせていただきました (^^;;
 ケース内側にアクリル板の切れ端を貼りつける。
基板の裏がケースに直接当たらないようにするため、部品のなさそうな場所を選んで 4カ所程度アクリル板の切れ端をケースに貼りつける。
※ 1mm厚のアクリルを使用したが、前述の通り基板裏面の状況によっては 2mm厚に変更の必要あり。

 電池フォルダを基板に装着する。
電池フォルダを基板にあてがってネジ穴の印を付け、2φのドリルで穴をあける。
この後、ネジを内側から挿入し、半田ゴテで頭を少し熱して押し込む(電池・ネジ接触防止のため)。
アクリル板の切れ端にも 2φのドリルで穴をあけ、接着剤を少し塗って電池フォルダに貼り付ける。
ネジの長さが余るので、余分を切り落としてヤスリで仕上げる。
本体基板に電池フォルダを装着してナットを締め、配線する。

 ヘッドフォンジャックと LEDを配線する。
ユニバーサル基板の切れ端にジャックを装着できるよう、基板の端子部分の穴を拡げる。
ジャックと LEDをユニバーサル基板に半田付けし、それぞれの GND側も接続する。
本体基板とジャック、LED間の配線を行う。
※ジャックはナットを外し、スマートメディアソケットの根本辺りに待機させておく。

 基板をケースに収める。
操作スイッチ用のスペーサー6個とワッシャー5個を、脱落防止ピンと共にケース内側にあてがう。
接続の終わった本体基板をケースに収める。
ヘッドフォンジャックとLEDをケースの穴から露出させ、ジャックのナットを締める。
※ジャックを固定することで基板の脱落防止も兼ねている。

さぁ、これでとりあえず 完成っ! といいたいところだが、 色々不満がありますぅ (^^;;

・厚さがありすぎる。 しかも内部は空間が余っている。
・スマートメディアが抜き差しできない。

※空間が余っているということは、基板の浮き上がりを防ぐための処置(詰め物など) が必要ということも意味する。

さぁ、どうしたもんでしょう?!

ということで、この後の「番外編」へどうぞ (^^)

2000/05/08 追記 Yutaka Kyotani
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