パチンコ台中古モニタ活用術「CR新名画」編


■CR新名画 (平和)
液晶パネル三菱製 8.4'TFT AA084VC03
主要処理 IC不明
入力信号Digital RGB(6Bit),H/V Sync,ENAB,Clk,電源(3.3V)
本体改造なし
追加回路スキャンコンバータまたは液晶自作キット
お勧め度?????
購入店・時期等某オークション 2004年12月中旬 (ユニット価格:3000円)
他の同系機種 
備考映像信号は Digital RGB(各6Bit)、同期信号は H/V別供給 (何れもロジックレベル)。 さらに水平 1ドット単位のクロックと表示エリア識別のための ENAB信号が必要。
信号タイミングは VGA準拠なので、ビデオモニタとしての応用はスキャンコンバータが必要。
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実験をされる前に 注意書き をお読み下さい。

■このモニタユニットについて・・・

三菱製 8.4インチ VGAモード TFT液晶パネルを使用したモニタユニットである。
さて、実は平和製のモニタユニットがこのコーナーに登場するのは初めてのことである。 もう 1990年代のことになるが、 比較的初期の小型液晶を搭載したモニタユニットが多く市場に出回った時期があり、その頃同社のユニットを何回か購入して 試してみた。 しかし、液晶ユニット内部の構造が他社のものと大きく違っている 関係で ビデオモニタとしての応用が不可能 だったため、このコーナーに登場する機会がなかったというのがその理由である。

ちなみに、その当時の同社製液晶ユニットは、主要部品が・・・

これだけで構成されているというものばかりだった (^^;
他社の液晶ユニットであれば、画像コントローラーの出力はアナログ RGB信号になっているものがほとんどであったので、 ここに外部からの映像信号を供給することができれば、ビデオモニタとしての転用が可能になる。 しかし、同社の液晶ユニットは、 画像コントローラーがメインCPUからのコマンド処理〜液晶パネルの制御まで全てをこなしており、 途中で映像信号に変換されることなく直接パネルにつながっている という究極の構成だ。 これはこれで合理的ではあるのだが、我々にしてみれば 融通の利かない使えないユニット でしかなかったということで (^^;

時は流れ、最近は VGAやSVGAの高解像度液晶がパチンコ台に使われるケースが増えてきたようだ。 高機能なグラフィック処理ができる 画像コントローラーも開発されるようになり、それらの出力も Digital RGB信号のサポートが標準的にされているので、敢えて インテリジェントなワンチップ構成を取るメリットがなくなってきているのが正直感じるところである。
そんな中、某オークションページで Digital RGB液晶パネルで一般的に使われている HIROSE DF9シリーズの 31Pinらしきコネクタを使って 接続されている液晶ユニット発見〜っ (^^) ・・・ということで、久々に試してみたという次第だ。

少し前置きが長くなってしまったが、早速各部のイメージをご覧いただこう。

▲ ケース裏側から[拡大写真]
▲ 絵柄処理基板[拡大写真]
▲ 液晶パネル[拡大写真]

左上のイメージは、ケースを裏側から見たところ。
ケースのフレームはプレスで打ち抜かれた鉄板が使われており、二枚の鉄板が液晶パネルの固定ネジを介して組み合わされ、 シャーシーを構成している。 ケースの三方は比較的液晶パネルキッチリの寸法で作られているのだが、バックライトインバータの 配線を引き出す関係で、正面から見て右側は約 1cmのデッドスペースができている。
また、ケースの上下には、液晶ユニットをセル盤に固定するための突起と、ワンタッチロックの機構が作り込まれている。 もし ケースごと応用することを考えるなら、このあたりは加工の必要がありそうだ。

中央のイメージは、画像処理基板とバックライトインバータ。
基板上のかなりのスペースを ROMが占めており、画像コントローラーと思われる巨大なチップが 2つが主要部品か。 裏面には、 ワーク用と思われる RAM、電源レギュレータ、あとは少量のロジック ICと個別の CRといったところだ。
主なものをリストアップしてみると、画像コントローラーが AXELL AG-2 AX51201、EPSON S1C33S01F00A3。 それに、制御用 ROM 27C160、図柄用ROM OKI MR26V25605J×4(256MBit OTP-ROM)、ワーク用RAM IC42S16800(128MBit SD-RAM)×2、IC61LV256(256KBit S-RAM) などとなっている。
ROMは全てソケットが取り付けられており、交換可能な構造になっている。 特に図柄用 ROMは、スペース的にはかなりの場所を 占有しているという雰囲気だ。

最後に右上のイメージ、液晶パネルだ。
三菱製8.4'TFT液晶 AA084VC03が取り付けられており、バックライトは 2灯仕様。 この液晶ズバリのデータシートは発見できなかったため詳細は 不明な点があるのだが、他の類似品種の情報から推測すると Digital RGB 各6Bitを要求する VGA液晶パネルにほぼ間違いないだろう。
また、バックライトインバータについても、専用のものが絵柄処理基板と独立して取り付けられているため、応用時は これを転用する方向で検討するのが良いと思われる。


■回路について・・・

さて、ここにはいつもならビデオモニタとして使用するための実験や、改造内容を解説するための文章が入る筈・・・である。 VGA液晶の場合も まず自作のスキャンコンバータに接続する実験を行って、今後どうするか検討するということを行ってきたのだが、 液晶ユニットに電源を接続して少し調査した結果や類似品種のデータシートから、液晶パネルの電源電圧が 3.3Vである点と、表示エリア識別のため DE信号の供給が必須であるという 2点が明らかになってきた。 一見何でもないことなのだが、用意されてない信号を作るためには 少々追加回路が必要となるため、今回は割愛させていただくことにする (^^;

ま、最近は VGA解像度以上の液晶パネルを応用するには、まず液晶自作キットへの接続可否や方法を検討するのが早道であるといえる。
ということで、今回は液晶自作キットとの接続方法について主に検討することにし、詳細については別ページで解説させていただくので、 興味のある方はご参照願いたいと思う。


■さて、映り具合の方は・・・

▲ 実験中の PC画面[拡大写真]
それでは右側のイメージをどうぞ。
サンプルは PC画面だが、液晶自作キット A-100Kと NL6448BC20-08用制御 MCU、同接続ケーブルの組み合わせと 若干の追加回路で動作確認ができている。

今回は 8.4インチ画面ということで、ビデオモニタという観点からすると手頃な大きさではないかと思う。 但し、 これを PC用モニタとして常用するには中途半端な解像度だ。 画面の明るさや画質等も良好で、SVGAや XGAの画面を 縮小して表示することもできるのだが、色々と制限事項もあるので、そのあたりは差し引いて考えた方が良さそうだ。

2005/01/16 Yutaka Kyotani

液晶自作キットでの接続方法
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